B級ご当地グルメの殿堂「富士宮やきそば」！聖地・富士宮市内の行くべき名店10選

【目次】B級ご当地グルメの殿堂「富士宮やきそば」！聖地・富士宮市内の行くべき名店10選

富士宮やきそばについて

富士宮やきそばの特徴

1. コシが強い麺

2. 肉かすを使用する

3. 地元中心の具材

4. 仕上げのふりかけ（だし粉）

5. その他

＜本場で食べられる富士宮やきそばのおすすめ店＞

1. 富士宮やきそばアンテナショップ

2. さの食堂

3. お好み食堂 伊東

4. うるおいてい

5. ゆぐち

6. 虹屋ミミ

7. むめさん

8. 天神橋

9. 鉄板焼き すぎ本（本店）

10. すぎ本 お宮横丁店

富士宮やきそばについて

静岡県東部、富士山の麓に抱かれた富士宮市は、観光資源が豊富な街です。

富士山山頂や朝霧高原、白糸の滝など見どころが満載で、市内にある6か所のスポットがユネスコ世界遺産に指定されています。

この富士宮を代表するグルメといったら、真っ先に「富士宮やきそば」の名前が挙げられます。

終戦直後から市内で流通していた「独自」の焼きそばは、やがて町おこしの一環を担うこととなり、西暦2000年頃からご当地B級グルメ「富士宮やきそば」として脚光を浴びることになりました。

そして平成18年（2006年）にご当地B級グルメの祭典「B-1グランプリ」が開催されると、第1回・第2回とグランプリを獲得するまでになったのです。

今では全国的に抜群の知名度を誇り、町おこしの成功例として取り上げられることが多い富士宮やきそばですが、通常の焼きそばとはどこが違うのかを解説していきます。

富士宮やきそばの特徴

見た目は通常の焼きそばと違いはなさそうですが、富士宮やきそばを特徴づけるポイントがいくつかあります。

まず大前提として「富士宮やきそば」の名称は、管理運営会社である株式会社プロシューマーの登録商標となっているため、こちらの承諾なしに使用することはできません。

富士宮やきそばを名乗るためには、下記の手続きが必要となります。

1. 富士宮やきそば学会が主催する「富士宮やきそばアカデミー」を受講し、やきそばの焼き方や富士宮市の文化・歴史・観光について学んで「麺許皆伝書」を取得すること。
2. 富士宮やきそば学会に登録すること。
3. 富士宮の製麺会社4社（曽我めん・さのめん・叶屋・マルモ食品工業）と仕入契約を交わすこと。
4. 売上に対する登録料（ロイヤルティー）を支払うこと。

こうした手順を踏んで、晴れて「富士宮やきそば」として幟を掲げ、店舗で提供することができるのです。

富士宮やきそば学会では、「富士宮やきそば」の定義として細かく12箇条の項目を指定していますが、こちらも踏まえて重要な特徴をご紹介します。

1. コシが強い麺

富士宮やきそばは、通常の焼きそばよりもコシが強い傾向があります。

こちらは製造工程の違いから生じるもので、通常の焼きそばは蒸した後に茹でますが、富士宮やきそばは茹でずに急速に冷やし、油で表面をコーティングします。

そのため水分が少なく、コシが強い麺になるそうです。

富士宮やきそばが誕生した終戦直後は冷凍技術が乏しかったため、日持ちするよう独自の製法を生み出したといわれています。

2. 肉かすを使用する

具材に肉かす（油かす）を使用することも、富士宮やきそばを特徴づける要素のひとつです。

油かすとは、ラードを搾ったあとにできる油かすのことで、こちらを油で揚げて具材に加えています。

旨味がたっぷりで、やきそばの味を引き立てる名わき役でもあります。

大きく切って使えば食感が楽しめますし、細かくするとにじみ出た油のうまみを味わえます。

3. 地元中心の具材

キャベツは富士宮産の高原キャベツ、水は富士山の湧水、サクラエビは駿河湾産など、地元産を優先して使用しています。

紅ショウガはほとんどのお店でトッピングしていますが、イカやタコ、挽肉など使用する具材はお店によって違ってきます。

4. 仕上げのふりかけ（だし粉）

やきそばが完成したら、仕上げにふりかけをまぶすのも富士宮流。

通常は粉末状にしたイワシの削り節を使用します。

独特の風味が魅力的で、たっぷりとまぶして味わいたいものです。

5. その他

ソースはお店によっても異なりますが、辛口ウスターソースを使用するケースが大多数です。

分厚くて大きな鉄板を使い、強火で一気に焼きあげる作り方が一般的。

焼き方は店主が焼いてくれたり、各自で焼いたりお店によってスタイルは違います。

＜本場で食べられる富士宮やきそばのおすすめ店＞

富士宮市内には、およそ140店舗の「富士宮やきそば」提供店が存在します。

どのお店でも個性豊かな味を楽しめますが、今回特におすすめしたい名店を厳選してご紹介します。

1. 富士宮やきそばアンテナショップ

今まで富士宮やきそばを食べたことがないなど、「富士宮やきそば」ビギナーの人にはこちらのお店からスタートしましょう。

富士宮やきそばの普及に努めてきた「富士宮やきそば学会」直営店で、オーソドックスかつ王道の味を堪能することができます。

「富士宮やきそば12箇条」を忠実に守って作られるやきそばは、コシが強くて旨味がたっぷりの絶品。

富士宮市内観光の主要スポット・富士山本宮浅間大社に近い「お宮横丁」内にあります。

紅ショウガやイワシのダシ粉、肉かすなど定番具材をふんだんに使用したやきそばは、シンプルでありながら元祖・富士宮やきそばの貫禄充分です。

使用する麺は、指定された製麺会社のなかで一番太い「曽我めん」を採用。

弾力とモチモチとした食感がたまりません。

定番のやきそばだけでなく、ユーモアあふれる個性的なメニューも豊富に揃っています。

富士宮やきそばパンをカップに敷き詰め、やきそばとパンを同時に味わえる「麺ブラン」は食べ歩きにもぴったり！

富士山が世界遺産に登録された記念に発売されたメニューで、一日30食の限定となります。

また、限定メニューの辛口シリーズは、ドストエフスキーの名作「カラマーゾフの兄弟」をパロった「辛麻（カラマー）族の兄弟」のネーミング。

唐辛子たっぷりの「激香夏麺（げっこうかめん）」など、辛さのレベルに合わせて4種類あり、どれもユニーク名前が付けられています。

味は本格的な素材を使用した逸品に仕上がっており、挑戦してみる価値は大いにあります。

2. さの食堂

夫婦で経営江する小さなお店ながら、地元でも絶大な人気を誇る老舗の食堂です。

富士宮駅から徒歩7～8分とアクセスも良好、駐車場も完備しているとあって休日には行列ができるほどの繁盛店でもあります。

富士宮やきそばだけでなく、もつ煮などの各種定食も充実していて、ラーメンも美味しいと評判です。

こちらで提供する富士宮やきそばは、キャベツと肉かす、紅ショウガがトッピングされたシンプルなもの。

全体的にさっぱりとした味付けに仕上がっています。

富士宮やきそばを考案したとされる「マルモ食品工業」製の麺を使用しており、コシが強くモチモチとした食感がたまりません。

肉かすは歯ごたえを出すため一度冷凍しているそうで、カリカリとした食感は麺との相性も絶妙です。

富士宮やきそばのメニューは並盛のほか、麺1.5倍の大盛も用意されています。

また、ライス・味噌汁・つけもの付きの定食にすることも可能です。

3. お好み食堂 伊東

最寄り駅（西富士宮駅）から徒歩30分と交通アクセスは不便ですが、それでも行列が絶えない人気店です。

テレビ番組や新聞など何度もメディアで取り上げられ、この味を求めて遠方からも多数の人が訪れます。

富士宮やきそばだけでなく、お好み焼きや「しぐれ焼き」などの鉄板料理を楽しむことができます。

こちらのお店の魅力は、目の前で調理する様子を楽しめること。

注文が入ってから、店内の大きな鉄板で作り始めます。

ジュージューと焼きあげる音や、香ばしい匂いが店内に充満し、たまらなく食欲をそそります。

麺はやや細目めながら、キャベツや肉かすなど具材がたっぷり。

ボリューム満点で食べ応えがあります。

お好み焼きや「しぐれ焼き」の具材にもやきそばが入っていて、違ったスタイルで「富士宮やきそば」を味わえるのも嬉しいところです。

そして一番の人気メニューは「五目やきそば」！

中華料理にある五目やきそばのイメージとは異なりますが、こちらも具材がたっぷりでボリューム満点です。

イカや豚肉、椎茸や玉子、サクラエビを使用しており、定番の「富士宮やきそば」とは違った美味しさを味わえます。

全体的にリーズナブルな価格設定になっていることも嬉しいポイント。

やきそばやお好み焼きなど複数のメニューを注文して、家族や友人とシェアしながら食べるのも良いでしょう。

4. うるおいてい

ワンランク上の富士宮やきそばを味わってみたい人には、ぜひおすすめしたい名店です。

最寄り駅から遠くアクセス良好とはいえませんが、絶品のやきそばを求めて多くの訪問客で賑わいます。

グルメ番組で何度も紹介されているので、名前を聞いたことがある人が多いかもしれませんね。

素材に徹底してこだわったクオリティの高い「富士宮やきそば」は、他では味わうことができません。

富士山の天然水や厳選された塩や野菜など、使われる素材は一級品尽くし。

70種類以上のミネラルを含む天然塩「皇帝塩」をはじめ、契約農家から仕入れる希少種「あわび茸」など美味しさと健康に徹底してこだわっています。

富士山の天然水をさらに浄水器で濾過し、不純物を取り除いた状態で使うそうです。

やきそばのソースにもこだわりの逸品で、何と8種類ものソースをブレンドしています。

自家製辛子味噌を加え、濃厚で甘辛く、さっぱりとしながらも深みのある味わいに仕上がっています。

こちらの一番のおすすめメニューは、平日50食・土日100食限定の「うるおい焼きそば」！

国内産の地粉を使用した麺は地元でも貴重で、究極ともいえるモチモチ感は一度食べたらやみつきになる食感です。

さらに、地元朝霧高原産の玉子をはじめ、イカやえび、豚肉をトッピングし、香り豊かなイワシ削り粉をたっぷりかけて提供されます。

上記特製ソースと絡めて食べる味わいは至福のひととき。

早い時間に来店して絶対に食べておきたいですね。

他にも野菜のみのシンプルなものをはじめ、イカやえび、さくらえびを具材にしたやきそばメニューが用意されています。

中でも富士山麓産の希少茸「あわび茸」をトッピングした「あわび茸やきそば」は見逃せません。

他店では食べられない逸品で、甘くて肉厚、ジューシーな食感がやみつきになります。

5. ゆぐち

こちらのお店も最寄り駅から遠く、路線バスも通っていないため、車でないと辿りつけない不便な立地です。

こうした悪条件でありながら、絶品の富士宮やきそばを食べられる名店として、地元だけでなく遠方からの訪問客が絶えない超人気店となっています。

土蔵のような古民家風外観が印象的な、創業30年の老舗店です。

シンプルな「やきそば」をはじめ、シーチキンやきそばや納豆やきそばなど変わりダネを含めて15種類以上！

これだけ種類が多いと、どれを注文したらよいのか迷ってしまうほどです。

コシが強い麺はモチモチの食感で、肉かすやキャベツなど具材もボリューム満点。

大きめの削り節も美味しさを引き立てます。

量も多いので、がっつりと食べたい人にはぴったりです。

中でもおすすめは「ホルモンやきそば」！

やきそばにホルモンがトッピングされているメニューは、富士宮市内でも珍しいとのことです。

使用される生ホルモンは、手間ひまかけて臭みをとっているため、内臓系が苦手な人でも抵抗なく食べられます。

ニンニク醤油がスパイシーな味わいで、箸が進むことでしょう。

自慢のやきそば以外にも、お好み焼きやもつ煮など絶品メニューがたっぷり。

ふっくらモチモチのお好み焼きは、やみつきになること必至。

ホルモン焼き（単体）やもつ煮など内臓系もおすすめです。

サイドメニューも充実しており、リピーター続出の理由が頷けます。

6. 虹屋ミミ

カウンターのみの客席が8つしかない、プレハブ造りの小さなお店です。

しかし「第1回富士宮やきそばグランプリ」にて「鉄人」の称号を与えられた実力派！

店頭に大きく掲示された「鉄人の店」の文字が、その自信を物語っています。

東京ビッグサイトをはじめ、全国で開催されるイベントに出店している実績を持ち、多くのファンを持つ名店です。

鉄人グランプリを受賞した自慢のやきそばは、余分な水や油を使わないあっさりとした味覚。

少し固めの麺に、イカや豚肉、サクラエビや玉子を追加トッピングして注文するスタイルです。

あらかじめイカと豚肉、玉子がトッピングされた「ミックスやきそば」も用意されています。

青ネギとイカを醤油ベースで炒めた「ねぎイカしょう油」も人気です。

やきそばだけでなく、お好み焼きや「しぐれ焼き」も絶品！

しぐれ焼きとは、お好み焼きの具材に富士宮やきそばの麺を合わせた郷土料理で、富士宮やきそばと並ぶ富士宮市のB級ご当地グルメです。

ミックスやきそばをしぐれ焼きにアレンジした「しぐれミックス」や、チーズ味がたまらないピザ風お好み焼き「ミミしぐれ」も自慢の看板メニューですよ。

富士宮駅から徒歩3分ほどと交通アクセスも良好です。

7. むめさん

富士宮の名勝・白糸ノ滝近くに店舗を構えています。

店主をイメージしたおばあちゃんがトレードマーク、懐かしさを感じる古い外観も魅力的です。

鉄板をみんなで囲んで食べる昔ながらのスタイルで、アットホームな雰囲気は居心地抜群！

地元で圧倒的な支持を誇る名店です。

キャベツがてんこ盛りになった超特大のしぐれ焼きで有名なお店ですが、富士宮やきそばも絶品。

並盛りでも具材のキャベツが山盛りで、ボリューム満点です。

コシが強い麺は食べ応え抜群で、香ばしいイワシのダシ粉や特製ソースと絶妙に合います。

物足りなさを感じたら、大盛り（麺2倍）、特盛（麺3倍）に挑戦してみましょう。

トッピングは、豚肉やイカ、玉子などから単品、または複数選択が可能です。

やきそば、しぐれ焼きともにテイクアウト対応しています。

富士宮やきそばをサンドした「やきそばロール」も人気です。

圧巻は、特大サイズの「しぐれ焼き」。

大きさに応じてスペシャル・デラックス・スーパーデラックスの3種類が用意されています。

ぜひ持ち帰って、ゆっくりと味わってみてください。

8. 天神橋

市街地から離れた景勝地・白糸ノ滝周辺には、ほかにも富士宮やきそばの名店が点在しています。

このお店は「隠れた名店」として、食通の間では知られた存在。

「むめさん」同様、地元の人からも高い支持を受けています。

店名は、お店の前にある小さな橋から命名されているようです。

こちらで提供している富士宮やきそばは、2種類をブレンドした甘口ソースが特徴。

やや太めのモッチリ麺と肉かすの具材が絶妙に絡み合い、絶品の味を醸し出しています。

鰹節のだし粉も香ばしく、食欲をそそります。

こちらのお店はリーズナブルな価格で楽しめることも魅力です。

やきそばは400円～と他店と比べても格安、しかも嬉しいことに豚汁のサービスも付きます。

偶数人数で訪問すれば、やきそばとお好み焼きのハーフ＆ハーフにしてもらえる特典もあります。

また、時間をかけて煮込んだ豚足も絶品と評判です。

やきそばのサイドメニューとして、ぜひチャレンジしてみてください。

9. 鉄板焼き すぎ本（本店）

昭和23年（1948年）創業、富士宮でもダントツの伝統を誇る老舗店です。

元々はお好み焼き（富士宮では洋食と呼ぶそうです）店からスタートしており、現在もお好み焼きの名店として知られています。

やきそばを専門に扱っている店舗を市内の「お宮横丁」で展開していますが、お好み焼きとやきそばを同時に味わってみたい人にはこちらの本店がおすすめです。

本店で提供する富士宮やきそばは、キャベツを紅ショウガをトッピングしただけでのシンプルなスタイルが基本。

トッピングでイカや豚肉、サクラエビやベーコン、シーチキンなどを追加するスタイルとなります。

イカと豚肉・サクラエビはセットになった「ミックス」や、ミックスにベーコン・シーチキン・チーズ・玉子を追加した大盛りの「スペシャル」メニューも用意されています。

コシが強い固めの麺と、独自にブレンドした濃いめのソースが特徴です。

こちらのお店のやきそばは、基本的にお皿に盛られて提供されません。

鉄板から直接食べるスタイルとなります。

アツアツ焼きたてのやきそばを、自慢のお好み焼きと一緒にじっくり味わってみてください。

10. すぎ本 お宮横丁店

前項でも触れましたが、本店の鉄板焼き・すぎ本が創業以来のお好み焼きがメインなのに対して、こちらはやきそば専門店です。

富士山本宮浅間大社前の「お宮横丁」にあり、既にご紹介したアンテナショップのすぐ近くに位置しています。

「富士宮市内で一番の老舗」を謳っており、アンテナショップとともに客足の絶えないお店です。

こちらの富士宮やきそばは、原則としてイカ入りのみでの提供となります。

歯ごたえ抜群のイカの食感は、コシが強くて固めの麺とともに食べ応え充分。

イカのエキスがたっぷり染み込んだ濃いめのソースが絶妙な味わいを醸し出しています。

希望により、豚肉やサクラエビなどのトッピングも可能です。

やきそばは注文を受けてから焼き始めるスタイル。

そのため、待ち時間が長くなるかもしれません。

しかし、アツアツ焼きたてのやきそばを食べたら、待った甲斐があったと満足できることでしょう。

その場で食べるだけでなく、テイクアウトにも対応しています。

テイクアウトの際には、食べる時間、場所によって焼き方、包装の仕方を替えているとのこと。

出来立てに近い美味しい状態で食べてほしいとの配慮が嬉しいですね。

B級ご当地グルメの代名詞として抜群の知名度を誇る富士宮やきそば。

富士宮市内には140店舗近い提供店があり、その味付けはお店によって様々です。

富士山麓に広がる風光明媚な観光地・富士宮を訪れた際には、ぜひ富士宮やきそばの食べ歩きをしてみてください。

あなたのお気に入りのお店がきっと見つかるはずです。