兵庫県豊岡市出石町の名物「出石そば」を解説！ミシュラン掲載店をはじめおすすめ10選

【目次】兵庫県豊岡市出石町の名物「出石そば」を解説！ミシュラン掲載店をはじめおすすめ10選

出石そばを食べに行こう

出石そばの歴史

出石そばの特徴と食べ方

出石へのアクセス

出石そば巡り

1. 創業以来の秘伝のつゆが決め手「さらそば甚兵衛」

2. 生粉打ちの十割蕎麦も味わえる「天通」

3. 地元の人に人気の名店「そば庄」

4. 行列のできる有名店「近又」

5. 無添加、天然にこだわるつゆの味「左京」

6. 白そば黒そばの食べ比べが楽しい「輝山」

7. 丸打ち、手駒切りの技を伝承する「正覚田中屋」

8. 出石町の中で一番新しい「一鶴」

9. 自家製粉と手打ちにこだわる「官兵衛」

10. そば打ち体験ができる「出石城」

出石そばを食べに行こう

皆さんは兵庫県豊岡市の城下町「出石町」を、そして名物の「出石そば」をご存知でしょうか。

関西の方なら、大阪、神戸などから日本海側の海水浴場や、冬なら温泉やカニを食べに行く時に、「おそばを食べに立ち寄る場所」というイメージかもしれませんね。

大阪や神戸から車で2時間少しなので、日帰りドライブにもぴったり。

但馬の小京都と言われる城下町・出石を巡って、おそばに舌鼓を打つ、そんな大人のデートにもおすすめです。

すぐそばには有名な城崎温泉があるので、合わせて訪れてみてください。

出石そばの歴史

江戸時代中期の宝永三年（1706年）に、信州の上田藩より国替えになり但馬国出石藩にやってきた仙石政明。

連れてきた信州そばの職人の技術が、もともとあったそば打ちの技術に加えられ、出石そばが誕生したと言われています。

幕末の頃から、屋台で出す時に持ち運びが便利な手塩皿に盛られるようになり、後に出石焼きが盛んになったことから、出石焼きの白い小皿で提供される現在のスタイルになりました。

小皿には各店オリジナルの絵付けがされているので、食べ終わったらどんな絵が出てくるのかも楽しみの1つです。

出石そばの特徴と食べ方

出石そばの信条と言えば、「挽き立て」「打ち立て」「茹でたて」の三立て。

出石そばの伝統技法にこだわりを持つお店では、店内に石臼があり、そば粉を挽いて、その場でそば打ちをしています。

そばは時間が経つと劣化が激しくなるので、茹でたてを素早く水切りした状態で提供されます。

出石の皿そばは、基本的に1人前が5皿。

1皿ずつ追加注文できるお店がほとんどです。

出汁文化の関西らしく、昆布とカツオのしっかり効いた濃厚なつゆが味の決め手になります。

お店によって甘めだったり、甘さ控えめだったりと味付けは様々。

昔は小皿にそのままつゆをかけていたそうですが、今は徳利に入ったつゆを少しだけお猪口に移して、そばをつけて食べるのが一般的です。

薬味は、塩、大根おろし、とろろ、生卵、ネギ、わさびなど。

わさびはつゆに溶かさず、そばにちょっとつけると一層美味しくいただけます。

最後はそば湯で締めましょう。

出石へのアクセス

＜車＞

• 舞鶴自動車道福知山ICより 国道9号線（和田山・鳥取方面）国道426号線（但東町・城崎方面）経由で約50分
• 播但連絡道和田山ICより 国道312号線（八鹿・鳥取方面）経由で約30分

＜電車＞

• 京都方面から特急で約2時間半 JR山陰本線「特急きのさき」にて、豊岡・江原・八鹿駅下車、全但バス出石行きで約30分
• 大阪方面から特急で約2時間半 JR福知山線「特急こうのとり」にて、豊岡・江原・八鹿駅下車、全但バス出石行きで約30分

＜飛行機＞

• コウノトリ但馬空港から全但バスで豊岡駅まで15分、出石行きに乗り換えて約30分

出石そば巡り

 

 

 

 

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A post shared by yu (@yuchan611) on Aug 28, 2018 at 3:16pm PDT

ほとんどのお店で1人前5皿で提供される出石皿そば。

いくつか人気店を食べ歩きたいという方には、5皿ずつだとちょっと多いということから考案されたのが「出石皿そば巡り巾着セット」です。

セットの中身は、出石特産の出石ちりめんで作られた巾着袋の中に永楽通宝が3枚で2,000円。

町の中心地にある「いずし観光センター」にて販売されています。

永楽通宝1枚で3皿の出石皿そばが提供されるので、3皿×3店舗＝9皿。

出石そば巡りの加盟店は38店舗もあるので、ほとんどの人気店は含まれています。

また、巾着袋の提示で、出石町内の様々な施設で入場料割引や、いずし観光センターでのお土産品が5%オフ（一部商品を除く）などの特典が受けられます。

1. 創業以来の秘伝のつゆが決め手「さらそば甚兵衛」

まずはミシュラン2016兵庫特別編ビブグルマン掲載店をご紹介します。

ミシュランビブグルマンとは「3,500円（席料・サービス料込み）で特におすすめの料理を提供している店」（東京・京都・大阪版は5,000円以下）というカテゴリーです。

つまりは、コストパフォーマンスが高いお店ということになりますね。

創業昭和51年の人気店「甚兵衛」。

30名が利用できる奥座敷や、出石城を眺めることが出来る掘りごたつ席、車いす対応の個室、予約専用のお茶室などがあり、どの部屋からも美しく手入れされた中庭が眺められるように造られてています。

「皿そば」1人前5皿 1,000円（薬味付） 追加1皿170円。

挽きたての国産そば粉は季節に合わせて厳選しています。

全部で18種類あるという出石焼の小皿に盛り付けられていて、食べ終わる度に可愛らしい絵柄を見るのも楽しみの1つです。

一子相伝で伝わっているという秘伝のつゆは、たっぷりの昆布と鰹節に創業時から継ぎ足して寝かし続ける「本がえし」を使った唯一無二の出汁つゆ。

ちょっと甘目で濃いつゆが、細めながら芯がしっかりしてコシがあるそばと良く合います。

メニューは皿そばのみで、他のそばはないためご注意ください。

2. 生粉打ちの十割蕎麦も味わえる「天通」

こちらもミシュラン2016兵庫特別編ビブグルマン掲載店です。

賑やかな町の中心地からちょっと離れた場所にある「天通」。

全てのメニューに石臼挽きの自家製粉のそば粉を使用しています。

中でも、田舎そば、粗挽きざる、そばがきは、ごろごろと手挽きをしての提供。

珍しい生粉打ちの十割そばは、蕎麦好きには堪らない逸品です。

「出石皿そば」1人前5皿 900円 追加1皿150円（各税込）。

甘味少な目のそばつゆは香りが良く、そばとの相性は抜群です。

自分ですりおろす本わさびを少しつけると、ツーンとした辛味でさらに美味しくいただけます。

皿そば以外にも、メニュー豊富なのも天通の魅力です。

「鴨汁そば」1,500円（税込）はコンロ付きの小鍋で提供されるので、最後までアツアツでいただけます。

香ばく炙られた白ネギ、ジューシーな鴨肉と甘辛いおつゆ、ファンが多いメニューです。

3. 地元の人に人気の名店「そば庄」

ミシュラン2016兵庫特別編ビブグルマン掲載店です。

蕎麦好きで自らそばを打って食べていたという先代。

当時出石にあった2軒のそば屋が冬期の新そばのみの営業だったため、年間通じて食せる蕎麦屋をと、昭和41年に開業したのが「そば庄」です。

東西の老舗そば店が加盟する「新そば会」の会員であり、地元の人に人気の高い名店です。

「皿そば」は1人前5皿 1,000円（山芋・玉子付） 追加1皿160円（各税込）。

蕎麦好きならば、数量限定の十割蕎麦「ちひろそば」1人前5皿 1,200円（税込）がおすすめです。

蕎麦殻をはずし、そば粉だけを使った昔ながらの十割蕎麦。

一般的な二八蕎麦とはひと味違った色、味、風味を楽しんでみませんか？

4. 行列のできる有名店「近又」

2016年ミシュランプレート掲載店、おそらく出石そばのお店で一番知名度が高いのがこちらの「近又」でしょう。

その歴史は古く、江戸時代に近江の国から丹波篠山に移住してきた人たちによって経営されていた旅籠屋「近屋」が前身。

代々襲名してきた「近江屋又兵衛」の名前から「近又」と屋号を変え、出石そば屋としての経営は3代目になります。

近又のメニューは、「手打ち出石皿そば」930円（税込）のみ。

基本は5皿セットで、足りない方はもう一人前の5皿650円（税込）を追加するというスタイルです。

出石そばはお箸を立てた高さの皿そばを食べて一人前と言われています。

近又では、大人男性20皿、大人女性20皿、子供（小学生以下）15皿を食べると「皿そばの証」が貰え、店内に名前の札が飾られます。

この「皿そばの証」を5つ集めると「そば通の証」が貰えて、次回から1年間無料になります。

また、大人男性50皿、大人女性40皿、子供（小学生以下）30皿を1時間以内で食べることが出来れば1年間無料。

10分以内に達成できれば、なんと永久無料になります。

5. 無添加、天然にこだわるつゆの味「左京」

ミシュラン2016兵庫特別編ミシュランプレート掲載店です。

「左京」では、出石そばの伝統である石臼挽きの製法を守り、店内で挽いているので、挽きたてならではの香り高いそばを楽しめます。

福井県の契約農家が栽培したそば粉は職人によって手打ちされ、丹念に仕上げられ、噛むほどに味わい深くしっかりしたコシとツルツルとした喉越しが完成します。

「出石そば」1人前5皿 850円 追加5皿 650円（各税込）。

少し濃いめに仕立てたつゆは、かつおの香りが豊かです。

天然と無添加にこだわり、そばの甘味を引き出すように工夫しています。

最後にそば湯に割って飲むと、かつおの香りがふわっと広がり美味しくいただけます。

来店二日前までに予約をし、現金で支払う場合はお会計から5%オフのサービスがあります。

出石そば以外のそばはないのでご注意ください。

6. 白そば黒そばの食べ比べが楽しい「輝山」

ミシュラン2016兵庫特別編ミシュランプレート掲載店です。

2階のお座敷席からは、出石の名所「辰鼓楼」を眺める事が出来る「輝山」。

白そばと黒そばの食べ比べが名物です。

白そばは、そばがらを一部除いてそばの実を挽いたあっさりタイプ、黒そばは玄そばを挽いた昔ながらの伝統的な出石そばです。

「手打皿そば」1人前5皿 900円（税込）で、黒そば白そばともに、 1皿150円（税込）となっています。

また、数量限定ですが、「温かい但馬鴨汁」600円や「但馬鴨雑炊」600円、「コウノトリ米とろろ飯」600円（各税込）も人気です。

7. 丸打ち、手駒切りの技を伝承する「正覚田中屋」

丸打ち、手駒切りといった出石伝統の技を継承する「正覚田中屋」では、粉は挽きぐるみを使い、お湯は使わずに出石の水で素早く打ちあげます。

使用するのは、地元出石の契約農家のそば粉。

石臼で丸びきした粉で打った蕎麦は黒く、皮の香りと独特の食感、そしてわずかな雑味があります。

「手打ち 出石皿そば」1人前5皿 990円、追加1皿180円（各税込）。

出石で美味しいそばを打つのは当たり前、つゆまで出来て出石のそば屋。

つゆにもこだわりを持ち、かえしは醤油、みりん、酒を使って二週間寝かし、四国産の目近かつおと利尻昆布でとった一番出汁で合わせます。

自慢のつゆをたっぷりつけて食べてみてください。

正覚田中屋では、出石皿そば以外にも、蕎麦屋ならではの一品が揃っています。

お蕎麦の前に、「そばずし」715円や、そば茶がついた「そば団子3本セット」660円（各税込）で一息つくのも良いですね。

さっぱりとした「すだち蕎麦」（自家製わらび餅付）1,265円（税込）も人気。

秋冬の冷え込む時期には「鴨汁そば」1,485円（税込）といった温かいおそばを楽しんでみるのもおすすめです。

8. 出石町の中で一番新しい「一鶴」

店主によると、出石町全体に50軒近くあるそば店の中で、1番新しいのがこちらの「一鶴」だそう。

そんな新店でも、ミシュランプレートを獲得したという実力派。

出石町の中心地から少し離れているので、大行列をすることもなく、ゆったりとお食事ができます。

「鶴見そば（皿そば）」1人前5皿 900円 追加1皿150円で、「一鶴そば（十割そば）」 1,300円（各税込）は要予約となっています。

公式サイト の「お品書き」ページを提示すると、1皿無料サービスがあるのでぜひご利用を。

人気のそば打ち体験は、2名～5名のグループの場合は1人1,500円で、1人なら3,000円（各税込）。

自家製粉した蕎麦粉を使用して、そばを打ち、出石皿そばとしていただき、〆のそば湯まで楽しめます。

所要時間は約40分で、事前予約が必要です。

9. 自家製粉と手打ちにこだわる「官兵衛」

地元の人にも観光客にも人気が高いお店をご紹介します。

清潔感のある広い店内は落ち着いた雰囲気。

観光客にも人気ですが、そば好きの地元の人にも人気が高いのが「官兵衛」です。

伝統の手打ちを守り続ける官兵衛では、入口のすぐ横でそば打ちをしているので、タイミングが合えば、誰でもその様子を見ることができます。

乾燥させないように手早く打つのがポイントで、みるみるうちに工程が進み、あっという間に出来上がる様子に釘付けになりそうです。

「皿そば」は1人前5皿900円 追加1皿150円、「官兵衛そば（十割そば）」 1,100円（各税込）は一日10食限定です。

まず1皿目は、地元豊岡竹野の塩をひとつまみかけてお召し上がりください。

次におすすめは、自分ですりおろすワサビです。

辛味が足りなかったらどうぞ、と出されるのは何とワサビ用の砂糖。

少し振りかけると香りも良くなり辛味が増すのは不思議な感じですね。

メニューは出石皿そばだけというお店も多い中、官兵衛では、かけそば、にしんそば、やまかけそばといった温かいおそばもいただけます。

10. そば打ち体験ができる「出石城」

家族連れに人気が高いのがそば打ち体験が楽しめる「出石城」です。

「出石皿そば」は1人前5皿 1,000円 追加1皿150円で、「十割そば」 1,200円（各税込）は1日20食限定です。

出石城の十割そばは、殻を極力取り除いたそばの実のみで粉を挽くため、色が白いのが特徴です。

20皿（女性は15皿）以上食べた場合には「そば通証」がもらえ、30皿以上ではそば通として店内に名前を飾ってもらえますよ。

人気のそば打ち体験は自家製粉したそば粉を使い、蕎麦打ち職人が丁寧に指導してくれるという本格派。

所要時間50分の「初級コース」2,200円（税込）は、そば粉からスタートして8皿分を完成させます。

所要時間30分の「入門コース」1,800円（税込）は、そば玉からスタートして6皿分を完成させます。

両コースともプラス900円（税込）で、天ぷらセット（天ぷら・山菜ごはん）かお肉セット（牛鉄板焼き・山菜ごはん）にできます。

自分で打ったおそばと一緒にいただくと格別ですね。

初級コースは空きがあれば当日でも参加できますが、入門コースは3日前までの予約が必要です。

予約は電話か  こちら   からどうぞ。

今回ご紹介したお店は、どこも出石そばの信条である「三立て」にこだわっています。

町の中心地にある人気店は行列必至ですが、少し離れたお店に行けば意外と空いているので狙い目です。

はじめてという方は、最初にご紹介した「出石皿そば巡り巾着セット」を購入して、まずは3軒食べ比べてみてくださいね。