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サンマーメンは神奈川県横浜市発祥のラーメンで、その始まりは調理人たちが食べていたまかない料理でした。
今では神奈川県民が愛するサンマーメン、まずはその歴史や特徴を解説します。
サンマーメンは、戦前の横浜のお店で調理人たちのまかない料理として出されていたのが始まりで、戦後はメニューに載るようになり広まっていきました。
横浜中華街にある有名店「聘珍樓（へいちんろう）」では、昭和初期の頃からサンマーメンというメニューが載っていたと言われています。
スープは醤油ベースで、細麺の上にもやしと白菜を中心にした野菜と肉を炒めて乗せ、あんをかけたものが「サンマーメン」です。
ボリュームがあり、あんのおかげで冷めにくいことから、冬場は身体が温まると人気が出て、横浜の多くのお店でサンマーメンを置くようになりました。
現在では横浜だけでなく、神奈川県全域に広まり「サンマーメンと言えば神奈川のご当地メニュー」として知られるようになりました。
初めて見る方は「タンメンと何が違うの？」と思われるかもしれませんが、サンマーメンの定義ははっきりしたものがあるわけではありません。
スープは醤油ベースの店がほとんどですが、中には塩味のお店もあります。
しかし、共通しているのは「もやし・白菜・肉を炒めたものに、あんでとろみをつけてから麺の上に乗せる」というところです。
サンマーメンは神奈川県内の大学の学食でも食べられたり、小学校の給食に出るなど、神奈川県民にとってはソウルフードになっているラーメンです。
冒頭でも書きましたが、サンマーメンと言えば「秋刀魚が乗っているの？」と思われる人もいますが、サンマーメンは「生（サン）馬（マー）」と広東語で書きます。
名前の由来は、「生（サン）」が“新鮮でみずみずしい”という意味で、「馬（マー）」は“上に乗せる”というところから来ています。
新鮮なもやしや白菜などの野菜と肉を炒めて、麺の上に乗せることからサンマーメンと名付けられたのです。
多くのお店は「生馬麺」と書いてサンマーメンと読ませますが、中には「生碼麺」と書くお店もあります。
この漢字は、港の埠頭や部屋番号に使われるもので、料理に使うものではないのですが、この漢字が使われるようになったのは横浜の地の特徴が関係していると考えられています。
横浜には埠頭が多く、そこで働く人たちがサンマーメンをよく食べていたので、埠頭に使う「碼」が使われるようになったのです。
サンマーメンは、前述したようにハッキリしたレシピが存在するわけではありません。
もやしと白菜を中心にした新鮮な野菜をシャキッと炒めますが、最近は栄養と見た目を考慮して彩り豊かな野菜を使うお店も増えてきています。
「かながわサンマーメンの会」でも、サンマーメンの定義は決まったものはなく、5種類以上の野菜を使うようとの記載があります。
お店によってニラや小松菜などの野菜を入れるなど、それぞれのレシピがあり、食べ比べてみると特徴があって面白いですよ。
決まったレシピはないものの、サンマーメンは基本的にもやし、白菜、人参、たけのこ、ニラなどを使用します。
もやしは安く手に入り、早く火が通ることからまかないにちょうどよかったのでしょう。
横浜にはサンマーメンがおいしいお店がたくさんあります。
その中でも地元民から評判が良いお店を厳選してご紹介します。
※2022年5月15日より新店舗へ移転のため一旦クローズ中
聘珍樓は、横浜中華街大通りにある創業130年を超える日本最古の中華料理店です。
50人以上の料理人が在籍していて、本格的な中華料理が味わえると、神奈川県民だけでなく遠くからも多くの人が訪れる有名店として知られています。
この聘珍樓は、サンマーメンの発祥の店のひとつとされています。
店の雰囲気は街の中華料理店というより、高級中華料理店という佇まい。
サンマーメンは野菜がたっぷりでシャキシャキ感が心地良く、餡の味付けはちょうど良い濃さです。
聘珍樓の「サンマーメン」1,200円（税込）はニラではなく、小松菜が使われていて、シャキシャキした野菜がみずみずしくとても美味しく食べられます。
麺はコシがあり、野菜との相性もバッチリ！
聘珍樓には「食事席」と「飲茶席」がありますが、サンマーメンを食べたいなら食事席で頼むことをおすすめします。
どちらの席でもサンマーメンがあるのですが、量と値段が異なります。
飲茶席のサンマーメンの方はサイズが小さく、味付けが薄めにできていますので、「これぞサンマーメン！」という味を求める方には物足りないかもしれません。
中華街を訪れたら、ぜひサンマーメンの発祥の店とされる聘珍樓のサンマーメンを食べてみてください。
住所 ： 神奈川県横浜市中区山下町149
マップ： Googleマップ
アクセス ：みなとみらい線「元町・中華街駅 」より 徒歩6分／JR京浜東北線・根岸線「石川町駅」より 徒歩8分
電話番号 ： 0555-24-3461
定休日 ： 不定休
営業時間 ：【ランチ】11:00～15:00／【ディナー】17:00～22:00
予算 ：【ランチ】4,000～8,000円／【ディナー】10,000～15,000円
予約サイト・口コミ・クーポン ： 食べログ
伊勢佐木町に本店を構える「玉泉亭」、この店もまたサンマーメンの発祥店のひとつとされています。
創業は大正7年、サンマーメンを始めたのは2代目からで、日本人の舌に合うような味付けに工夫しているところが人気のポイントです。
玉泉亭の「サンマーメン」670円（税込）は、もやし・白菜・人参・ニラ・豚肉を使っています。
シャキシャキの野菜とあんが細い麺の上にトロリとかかっていて、麺を持ち上げると餡が麺に絡んでなんとも言えない味わいになります。
器もお店の雰囲気も決しておしゃれではなく、大衆食堂のような雰囲気ですが、これがまた良いです。
本店の他に、横浜駅に直結している横浜ポルタ店があり、本店と変わらない味でサンマーメンを提供しています。
値段も手頃で、駅から近いので横浜駅を訪れたときに寄りたくなるお店です。
住所 ： 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町5-127
マップ： Googleマップ
アクセス ：市営地下鉄「伊勢佐木長者町駅」より徒歩5分／京急本線「 日ノ出町駅」 より徒歩10分
電話番号 ：045-251-5630
定休日 ： 火曜日（祝日の場合は営業）
営業時間 ： 11:00～21:00
予算 ： 700円
予約サイト・口コミ・クーポン ： ホットペッパーグルメ
地元の人たちや駅周辺のサラリーマンたちにに大人気で、開店と同時に満席になるため、開店前から並んでおくか昼時を少し外して行くのをおすすめします。
龍王の「サンマーメン」590円（税込）は、細い麺に鶏ガラの醤油スープで優しくホッする味です。
もやし、ニラ、人参、たけのこをあんがしっかり包み込み、熱々のまま美味しくいただくことができますよ。
シャキシャキしている野菜の甘みを感じることができるのは、サンマーメンの魅力のひとつと言えるでしょう。
チャーハンセットは人気のメニューで、サンマーメンに劣らずチャーハンも絶品です。
住所 ：神奈川県横浜市西区南幸1-5-24 ジョイナス1階 五番街内
マップ： Googleマップ
アクセス ：
相鉄線「横浜駅」より徒歩1分／JR各線「横浜駅」より徒歩3分／京急「横浜駅」より徒歩7分
電話番号 ：045-319-2726
定休日 ：無休（12/31～1/2臨時休業）
営業時間 ：【月～金】11:00～22:00（LO21：15）／【土・日・祝】11:00～21:00（LO20：15）
予算 ：～999円
予約サイト・口コミ・クーポン ： ホットペッパーグルメ
三幸苑がある“野毛”は、JR桜木町駅近くの飲食街です。
ノスタルジックな雰囲気の店が600店舗ほど立ち並ぶホットな場所として、テレビや雑誌に取り上げられるようになり、幅広い世代の人たちから人気があります。
三幸苑は、2017年の1月に新しい店舗に移転して綺麗なお店になりましたが、サンマーメンをはじめとしたメニューは変わらず美味しくいただけます。
雑誌やテレビでも何度も取り上げられている三幸苑ですが、ここの「サンマーメン」920円はもやしたっぷりで、これぞサンマーメンという優しい醤油味です。
野毛でお酒を飲んだ後にサンマーメンで締めるのもありですね。
住所 ： 神奈川県横浜市中区野毛町3-135 中屋ビル 1F ※このお店は「横浜市中区野毛町2-87」から移転しています。
マップ： Googleマップ
アクセス ：京急本線「日ノ出町駅」より徒歩5分／京浜東北線「桜木町駅」より徒歩7分
電話番号 ： 0545-231-4450
定休日 ： 月曜日
営業時間 ：【火〜金】10:30〜15:00、17:00〜22:00／【土・日】10:00〜23:00
予算 ： 999～1,999円
予約サイト・口コミ・クーポン ： ホットペッパーグルメ
横浜駅西口のダイヤモンド地下街から直通の「エキニア」の飲食店街の中にあります。
駅近にも関わらず、どれもリーズナブルなお値段でラーメンや餃子など様々なメニューがいただけます。
「サンマーメン」500円（税込）も安く食べられるのですが、量はしっかりとあってお得感が満載です。
スープは醤油ベースで優しく落ち着く味で、野菜を包み込む餡は塩味となっています。
コクがあるのに重くなく、ぺろりと食べられるサンマーメンは大人気で、昼には行列ができるほど。
「龍味」は、横浜駅の地上から行くと西口ヨドバシカメラの近くのビルの方から地下へ入りますが、地下の奥の方にあるお店なので、知る人ぞ知る名店です。
通りかかった人が「こんなところにあったんだ。」と思うような場所にあるのに、毎日のように行列ができるのは、安さだけでなく味にあります。
店内は中華鍋を振る音が鳴り響き、中国語が飛び交って活気がある店で、美味しい料理が出てくることを想像させる雰囲気です。
住所 ：神奈川県横浜市西区北幸1-1-8 エキニア横浜 B1F
マップ： Googleマップ
アクセス ：横浜駅西口 徒歩1分
電話番号 ： 045-311-2498
定休日 ：無休
営業時間 ：10:30～21:30
予算 ： ～999円
予約サイト・口コミ・クーポン ： 楽天ぐるなび
東神奈川で「サンマーメン」1,000円（税込）と言えば南京亭と言われるほど有名なお店です。
もやしをはじめとした野菜が山盛りになっていて、丼からこぼれてしまいそうなほどの量で、下にお皿が敷いてあります。
トロトロで熱々の餡に包まれた新鮮な野菜は、食べても食べても減らないほど多いです。
南京亭ほど具が山盛りに乗っているサンマーメンはあまり見ません。
たっぷりの具が細麺に絡んで、とても美味しく食べることができますよ。
この味を求めて、遠くからサンマーメンを食べに訪れる人もいるほどです。
住所：神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1-20-4
マップ： Googleマップ
アクセス：JR「東神奈川駅」より徒歩3分／京浜急行線「仲木戸駅」より徒歩5分／東急東横線「東白楽駅」より徒歩6分
電話番号：045-432-0880
定休日：水曜日
営業時間：11:30～15:00、17:00〜19:00 ※木曜日はランチ営業のみ
予算：999～1,999円
予約サイト・口コミ・クーポン ： ホットペッパーグルメ
横浜発祥のサンマーメンですが、その美味しさで瞬く間に神奈川県内に広がっていきました。
特に神奈川県南部でよく食べられるようになり、横浜市以外のお店でもサンマーメンがメニューにあるところは多いです。
国道129号線沿いの湘南の平塚にある三幸苑は、野毛山にある三幸苑の暖簾分けされたお店です。
外観は決して綺麗とは言えないお店ですが、開店と同時に満席になり、ひっきりなしにお客さんが訪れて行列ができるほど人気のお店です。
ここの「サンマーメン」680円はニンニクが効いているのが特徴です。
具はもやし、白菜、人参、ニラ、キクラゲ、豚肉で餡が麺にしっかり絡んでくれます。
訪れる人のほとんどが頼むというサンマーメンは、寒い冬はもちろん、真夏でも食べる人が絶えません。
なお、この店は最寄り駅から離れているので、車で行くことをおすすめします。
住所 ： 神奈川県平塚市大神1763
マップ： Googleマップ
アクセス ：JR「寒川駅」より徒歩約42分／JR「宮山駅」より徒歩約43分／JR「門沢橋駅」より徒歩約52分
電話番号 ：0463-54-2725
定休日 ： 土曜日
営業時間 ：11:30～19:30
予算 ： ～999円
予約サイト・口コミ・クーポン ： 楽天ぐるなび
藤沢駅は、江ノ島まで走っている江ノ島電鉄・通称「江ノ電」の始発駅として、地元の人はもちろん週末は多くの観光客で賑わいます。
そんな藤沢駅から徒歩7分程の場所にある「つるや食堂」は、昭和レトロな雰囲気を持つ奥田センター飲食街の中にあります。
パイプ椅子とテーブルがまさに昭和の店という雰囲気で、若い人にとっては目新しく、昭和を知っている人には懐かしい空間に感じることでしょう。
「サンマーメン」680円（税込）のスープは、鶏ガラ醤油のスープが少し濃い目の味で、餡は塩味です。
もやし、キャベツ、人参、キクラゲ、ニラ、たけのこ、豚肉が熱々の餡で包まれていて、具が多くなかなか麺にたどり着きません。
麺は中細で縮れているので、餡に絡んで濃いめの味付けにぴったりです。
昔ながらの中華料理屋さんで食べる味わい深いサンマーメンです。
住所 ：神奈川県藤沢市鵠沼石神1-5-15
マップ： Googleマップ
アクセス ：JR東海道線「藤沢駅」南口より徒歩7分
電話番号 ： 0466-23-7930
定休日 ： 日曜日
営業時間 ：11:00～19:00
予算 ： ～999円
古久家は、藤沢駅前のダイヤモンドビルの地下にある中華料理店です。
ダイヤモンドビルはJRと小田急線の藤沢駅に直結しているので、買い物や食事をするのに便利です。
昭和22年創業の古久家は、藤沢の人たちに愛されてきた店で、店の中は昭和レトロの雰囲気が漂います。
食事時は満席になる古久家のサンマーメンは、醤油ベースで甘めの味が懐かしい気分にさせてくれます。
自家製麺は卵をたっぷり練り込んだ、少し太めのもちもち麺です。
シャキシャキの歯ごたえのある野菜が美味しくて、親子3代にわたって通う人もいるほどです。
住所：神奈川県藤沢市南藤沢2-1-3 ダイヤモンドビルB1F
マップ： Googleマップ
アクセス ：JR東海道本線・小田急江ノ島線「藤沢」駅(南口)から徒歩2分
電話番号 ： 0466-23-6777
定休日 ： ダイヤモンドビルに準ずる
営業時間 ：11:00～19:30
予算：～999円
予約サイト・口コミ・クーポン ： 楽天ぐるなび
昭和11年創業の「あしなや」は、サンマーメンをはじめとしたラーメンと定食を提供している大衆食堂です。
「サンマーメン」820円（税込）は、湘南野菜をふんだんに使ってあんかけにしたあしなやの1番人気のメニューで、これを目当てに訪れる人で賑わいます。
麺は自家製のちぢれ麺を使い、スープは醤油ベースでなぜかホッとする味。
餡はびっくりするくらい熱々で、注意しないと火傷してしまうため気を付けてください。
鎌倉はおしゃれなお店が増えてきていますが、「あしなや」は昔ながらの雰囲気を味わえる素敵なお店です。
住所 ：神奈川県鎌倉市小町1-4-18
マップ： Googleマップ
アクセス ：JR「鎌倉駅」より徒歩2分
電話番号 ：0467-22-1011
定休日 ：水曜日
営業時間 ：【月・火・木・金】11:30～15:30/17:30～21:00／【土】12:00～21:00／【日・祝】12:00～20:00
予算：700～1,500円
予約サイト・口コミ・クーポン ： 楽天ぐるなび
横浜発祥のサンマーメンは、神奈川県民にとって大切な地元の味です。
シャキシャキの野菜と熱々の餡、それを麺に絡めてフウフウしながら食べる。
神奈川県民のソウルフードをぜひ食べてみてください。
最終更新日 : 2022/10/30
公開日 : 2019/06/16
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