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格式高いお店に行くと、必ず求められるのがテーブルマナー。
いわゆる、食事の作法のことです。
食事のマナーがあるのは多くの人が知っていますが、その意味や細かい内容は意外と知らない人が多いのではないでしょうか。
マナーが存在する理由は、「周りの人に不快感を与えず、スマートに楽しく食事をするため」です。
その空間にいる全ての人が食事を楽しめるようにと、周りへの配慮・気配りの意味が込められています。
マナーと聞くと堅苦しいイメージかもしれませんが、調和を保つためにもしっかり守りたいですね。
お店に行く前にチェックしておきたいのが、服装マナー。
レストランによって求められるドレスコードのレベルが違います。
事前にお店のホームページなどで、どのレベルのドレスコードが求められているのかをチェックしておきましょう。
レストランの格式が高くなるほど、スマートエレガンスのようなフォーマルに近い服装が好ましいとされます。
男性はスーツにネクタイと革靴、女性は紺などのシックなワンピースなどフォーマルな服装になります。
逆にスマートカジュアルなど比較的ドレスコードがゆるい場合は、以下のポイントを押さえておけば特に問題はありません。
後ほど、コースの流れに沿ってマナーを解説しますが、先に押さえておきたい基本的なマナーをご紹介します。
全部覚えられなくても、今から紹介するマナーを押さえておけば、大きくひんしゅくを買うことはないでしょう。
これは当たり前ですが、ナイフやフォークを使う度にカチャカチャと音を立てたり、スープを口にする時に音を立ててすするなどはご法度。
食事中は音を最小限にするよう心がけましょう。
もちろん、レストランに入ってから大きな声で話すのもNG。
かと言ってずっと黙っているとかえって不自然なので、周りとの調和を考え、邪魔にならない声で会話を楽しむようにすると良いでしょう。
テーブルに着くと、ナイフやフォークなどの「カトラリー」がたくさんセッティングされているので混乱するかもしれませんが、基本的に外側から使います。
お皿の上側にセッティングされているものはデザート用なので、一番最後に使います。
「外側から使う」と覚えておけばまず間違いないので、これだけは押さえておきましょう。
もしカトラリーを使い過ぎた、あるいは使わなかった場合でも、1つの料理が終わるごとに店員さんが対応してくれるので、慌てないでくださいね。
和食の場合、食器を持ち上げて食べるのが基本ですが、洋食の場合は逆。
お皿を置いたまま食べるようにしましょう。
ただし、カップに入っているスープは持ち上げても構いません。
また、お皿に入ったスープがすくいづらい場合、お皿の片方だけを持ち上げてすくうのは大丈夫です。
こうすることでスープがすくいやすくなり、音も立ちにくくなります。
カトラリーやナプキンなど何か物を落とした場合、自分で拾ってはいけません。
店員さんが拾って交換してくれるまで待ちましょう。
もし店員さんが気づいていない場合は、黙って手を挙げて呼ぶのがマナー。
この時「すみません」など声を出すのはNGです。
普段自分で拾うことに慣れている人が多いため、最初は違和感を感じるかもしれませんが、ぐっと我慢して待ちましょう。
魚料理や肉料理などいろいろ種類はありますが、基本的に左側から食べるのが作法です。
右側から食べると、フォークとクロスする形になってしまうため、ソースがこぼれたりするなど美しく見えないことも理由です。
ただし、左利きでナイフとフォークを持ち替えている場合は、右から食べても大丈夫です。
ここからは実際の流れに沿って、細かいマナーを解説していきます。
実践形式なので、実際にお店に行ったつもりで読んでみるとイメージがつきやすいかと思います。
もし全て覚えられないという場合は、前述に記載した基本マナーを押さえながら、実践できそうなものから習得していってください。
最初はぎこちないかもしれませんが、慣れてくるとスマートに出来るようになりますよ!
レストランに入店する時、大きな荷物がある場合は席につく前にクロークに預けます。
預ける時には必ず両手で渡すようにします。
席に案内された時、男性と女性のペアの場合は基本的に女性が上座に座ります。
ただし、下座の方が夜景が綺麗に見えるなどの条件があれば逆にするなど、臨機応変に対応すると良いでしょう。
基本は椅子の左側から着席します。
ただしお店の構造上、都合が悪い場合は右側から着席しても構いません。
また、小ぶりなバッグの場合は椅子の後ろ、取っ手のあるバッグなどの場合は自分の足元の左側に置きましょう。
座る位置は、自分とテーブルの間がこぶし1つ分ぐらいが妥当です。
座った後、手は基本的にテーブルの上に置きます。
席につくと、必ず用意されているのがナプキン。
紙製や布製がありますが、どちらも使い方は同じです。
ナプキンを広げるタイミングは、ドリンクが運ばれてきた時がベストです。
目上の方と食事する場合は、目上の方がナプキンを広げられてから広げましょう。
広げる時は、二つ折りにして折り目を自分の方に向けて膝に置きます。
口や手を拭く時は、ナプキンの内側の端を使います。
中座の時には、軽くたたんで背もたれにかけるようにします。
中座のタイミングは、なるべくお料理がデーブルの上にない時にするのがベターです。
ドリンクが運ばれてきたら、いざ乾杯!でもちょっと待ってください。
通常の飲み会であればグラスを当てて乾杯後、一気に飲む方もいるかもしれませんが、レストランの場合はNGです。
ドリンクが来たらまずグラスの柄を持ち、グラスを胸の高さまで上げて相手と目を合わせます。
そしてグラスを近づけますが、ぶつけずにそのまま一口いただきます。
この時、一気に飲み干してはいけません。
あくまでも一口ぐらいにし、後は歓談中や食事の時に少しずついただきます。
フランクな飲み会の乾杯とは異なるので、注意が必要です。
洋食ではコースの途中でパンが出てくることが多いですが、この食べ方にもマナーがあります。
まず、パンは必ず一口サイズにちぎってから食べるようにします。
そのままかぶりつくのは下品に見えることからマナー違反です。
バターやオリーブオイルをつける際にも、必ず一口サイズにちぎってからつけるようにします。
ちぎる時には、パンくずがあまりでないようお皿の端でそっとちぎるのがポイントです。
こぼれたパンくずは店員さんが回収してくれるため、物を落とした時と同様に自分で処理をしないこと。
気遣いのつもりでやってしまいがちですが、ここもぐっと我慢です。
恐らく洋食を食べる時のマナーで一番気になるのがナイフとフォークの使い方。
知っているようで、実はうろ覚えの方が多いのではないでしょうか?
前述に記載した「外側から使う」以外の作法をご紹介します。
まずは持ち方ですが、ナイフは右手、フォークは左手で、どちらも人差し指を添えるように持ちます。
左利きの方はこの逆で、ナイフは左手、フォークは右手に持ちます。
ナイフを使わない場合は、それぞれ利き手でスプーンまたはフォークを持ちます。
左利きの方は毎回逆になりますが、テーブルセットをあらかじめ自分で変えてはいけません。
お料理が出てくる度に持ち替えて使用しましょう。
食事中に一旦ナイフとフォークを置く場合は、ナイフとフォークが「ハ」の字になるようにお皿の上に置きましょう。
この時、ナイフの刃を内側に、フォークは背を上にして置きます。
ナイフの刃を外側に向けてしまうと、相手に刃を向けることになってしまうので注意してください。
食事が終わったら、ナイフとフォークは揃えて時計の4時の方向に置きます。
この時、フォークの背は下に、ナイフの刃は内側になるように置きます。
フォークの置き方は食事中に置く場合とは逆になるため注意しましょう。
前述した通り、左利きの方はナイフとフォークを持ち替えて使用しても構いません。
ただし、フォーマルな場では持ち替えることはマナー違反とされていたり、持ち替えることで隣の席の方と肘がぶつかってしまうなど不具合もあります。
そのため、左利きの方でもこういった食事の場合は右利きの方と同じように使うようにしているケースも少なくありません。
ただ、慣れないうちは無理をせず、自分に合った持ち方で粗相のないように心がけましょう。
気になる方は、家で使い方を練習すると良いかもしれません。
食後のコーヒーや紅茶は、受け皿を持たずに飲むのが作法です。
ただし紅茶の場合、テーブルが低ければ持っても構いません。
ミルクを入れる場合は、スプーンで2〜3回まわします。
この時、混ぜすぎないように気を付けてください。
砂糖を入れる場合は、スプーンの上に乗せてそっと沈めます。
直接入れると飛び散ってしまうのでNGです。
食事が終わったら、ナプキンをたたまずテーブルの上に置きます。
これは「美味しかったです」という意味になります。
綺麗に畳んで置いてしまうと、「美味しくなかった」という意味になってしまうので注意してください。
お会計の時は、お店の人に合図をして席に呼び、お会計であることを伝えます。
タイミングですが、基本的に食事が終わって少ししてからが良いでしょう。
男女で来ている場合は、食事の後女性が化粧室に行っている間にお会計を済ませるのがスマートです。
ここでは、よくやってしまうNGな行動をご紹介します。
良かれと思ってやったことが実はマナー違反だった…ということがないように、ここでしっかりと確認しておきましょう!
出てきたお料理にナイフを入れずそのままかぶりつくのはマナー違反です。
肉料理や魚料理などはもちろん、オードブルでも一口サイズのもの以外はナイフで切り分け、細かくしてから食べるようにします。
大きいままかぶりつくと、品のない人だと思われ、自分だけでなく同席者にも恥をかかせてしまうので注意です。
これは、「お店のナプキンは汚くて使えません」という意味になり、大変失礼な行為にあたります。
日常では自分のハンカチを使うことは良いこととされるシチュエーションが多いですが、洋食レストランに行った際はハンカチはバッグの中にしまっておくのがマナーです。
口や手を拭く時は、必ずお店のナプキンを使いましょう。
「パンの食べ方」でもご紹介しましたが、パンくずを自分で処理するのはNGです。
店員さんが処理しやすいように一か所にかためる人もいますが、実はこれもしてはいけません。
何から何までサービスしてもらうのは気が引けるかもしれませんが、洋食では全てお店の方に任せるのがマナーなので、何もしないで待っておきましょう。
ナイフやフォークを持ちながら話をしたり、ナプキンで口を拭くのはNGです。
刃先を相手に向けることになり、大変失礼な行為にあたります。
また、見た目も美しくありません。
カトラリーを持つのは、あくまでも食事中のみであることをしっかりと肝に銘じておきましょう。
前述と重複しますが、この行為をするケースは大変多くあります。
昔から「綺麗に畳むのが礼儀」と教えられている人が多いためか、無意識に畳んでしまうようです。
先述した通り、綺麗に畳む行為は「美味しくなかった」というメッセージになるため、失礼な行為に当たります。
初めはお行儀が悪いように感じるかもしれませんが、ぐちゃっとした状態で置いておきましょう。
ここまで洋食のマナーをご紹介しましたが、意外とルールが多くて覚えるのが大変ですよね。
一気に覚えようとせず、まずはできそうなことから実践して、徐々に身につけていってください。
食事はあくまでも楽しむもの。
そのため、マナーに縛られてせっかくの美味しいお料理の味を覚えていなかった…ということがないように、楽しむことを意識しましょう。
楽しみながら数を重ねて、スマートにマナーを実践できる「デキる大人」になりましょう!
公開日 : 2020/06/09