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スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ(Spaghetti alla Puttanesca )
スパゲッティ・ボロネーゼ(Spaghetti alla Bolognese)
スパゲッティ・ネーロ(Spaghetti al Nero di Seppie)
ミラノ風カツレツ(Cotoletta alla Milanese)
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(Bistecca alla fiorentina)
日本で人気のある西洋料理といえば、イタリア料理ですね。
「イタ飯」の愛称でも親しまれ、オシャレな上にカジュアルな気分で楽しめるとあって、デートの食事には定番中の定番。
また、パスタやピザなどイタリア発祥のグルメは、世代や性別を問わず人気で、今や日本人の食生活から切り離すことはできません。
そんなイタリア料理は、日本だけでなく世界中の人々を魅了しています。
イタリア料理の歴史は古く、今から2000年以上前の古代ローマ帝国時代にまで遡ります。
当時のローマ人は食事の時間を大切にし、1日3食と定め、1食毎にコース料理として2~3時間かけて食事を楽しんだそうです。
やがて当時最高水準を誇った食文化は、ローマ帝国の発展とともにヨーロッパ各地に広まっていきました。
ヨーロッパ各国の食文化に影響を与えたイタリア料理ですが、なかでも最も恩恵を受けた国がフランスです。
「世界三大料理」に数えられるフランス料理は、イタリア料理の影響なしでは完成できなかったといわれています。
きっかけは、1533年にフィレンツェの名門貴族・メディチ家の令嬢カトリーヌがフランス国王・アンリ2世に嫁いだ時のこと。
イタリア側からフランスへ多くの料理人や料理のレパートリー、テーブルマナーなどが持ち込まれ、当時は地味だったフランスの食文化を一新しました。
そこから、現在のフランス料理の基礎が完成したといわれています。
イタリア料理は、ギリシャ料理やスペイン料理、モロッコ料理とともに「地中海の食事」としてユネスコの無形文化遺産に指定されています。
こちらも誇るべきことですが、その存在感は「地中海」の枠を遥かに超え、世界的な文化遺産であるといっても過言ではありません。
イタリアは南北に細長い国で、地域によって大きな特徴があります。
料理についても地域差があり、北部は隣接するフランスやスイス、南部は北アフリカや地中海諸国の影響を受けた料理が多数存在しています。
例えば、北部では肉や乳製品を使った料理が多く、南部では魚介類を使用した料理が多く見られます。
また、1861年に統一国家が誕生するまで、領内に多くの独立国家が存在していた経緯のあり、ナポリ料理やトスカーナ料理などの郷土料理が独自に成長してきました。
同じ国内においてもバラエティに富んだグルメを楽しめるというのが、イタリア旅行の醍醐味のひとつでもあります。
私たちが一般的に認識しているトマトソースやオリーブオイルを使用したイタリア料理のイメージは、どちらかといえば ナポリ など南部地域の料理に相当します。
パスタやピザなど定番料理もこちらのものが有名ですが、今では形を変えてイタリア各地に広まってきています。
地域によって特色が異なる定番料理と、ローカル色の強い郷土料理を地元産のワインと共に味わう、これがイタリア料理の楽しみ方です。
筆者は何度も現地を訪れていますが、毎回驚かされるのが食事のボリュームがすごいこと。
例えば、日本のイタリアンレストランではパスタはメインディッシュですが、現地ではあくまでも第一主菜(または前菜)のひとつ。
それも日本人の感覚では軽く2~3人前もある大盛りで提供されます。
加えて肉や魚のメインディッシュ、デザートなども付いてくるので、全てを完食するのは大変です。
特にコース料理を注文する際には、「少なめ(poco)」にしておいた方が無難です。
ちなみに、現地でのレストラン(Ristorante)のフルコースは以下の順番で提供されます。
このような具合です。
ここからは、上記コース内容に軽食などを加えて、イタリア料理のおすすめメニューをご紹介します。
メインディッシュが登場するまでの、軽い腹拵えというイメージです。
ハムやチーズ、燻製、野菜のグリル、魚のマリネなど作り置きの食材が中心で、パンと一緒に盛合せで提供されることがあります。
ビールや食前酒にも合いますが、食べ過ぎないように注意してください。
前菜(アンティパスト)のプレートに登場する定番メニューといえば、プロシュットと呼ばれる生ハムです。
「プロシュット」とはイタリア語でハム全般を表す言葉ですが、日本ではイタリア産の燻製ではない生ハムを指すことが多いです。
塩漬けにした豚もも肉を吊るして乾燥させ、時間をかけて熟成させることによって完成します。
長時間熟成することによって香りが豊かになり、クセのないやわらかな食感と程よい塩味を楽しむことができます。
プロシュットの名産地として知られるのが、イタリア北部の街・パルマ。
こちらで生産されるプロシュットは「プロシュット・ディ・パルマ」の名で知られ、スペインの「ハモン・セラーノ」、中国浙江省の「金華火腿」とともに「世界三大生ハム」に数えられています。
パルマ産の白豚を使用した生ハムを12ヶ月以上かけて熟成させ、徹底した品質管理の下製造されます。
厳しい認定条件をクリアした製品にのみ称号が許される「DOP(保護指定原産地呼称)」マークが目印です。
前菜では、様々な種類のハムが盛合せになった「プロシュット・ミスト(prosciutto misto)」と呼ばれるプレートで提供されるケースがほとんどです。
メロンやイチジクなどのフルーツと一緒に食べると絶品ですよ。
見た目も涼しげで、さっぱりとした味わいが魅力のカルパッチョ。
日本ではサーモンや鯛などの刺身を利用したものがほとんどですが、本場イタリアでは肉を使ったものが中心。
薄切りにした生の牛フィレ肉に、チーズやソース、オリーブオイルなどで味付けした料理を指すことが多いようです。
カルパッチョという名前の由来が諸説ありますが、15世紀のヴェネツィアで活躍した画家ヴィットーレ・カルパッチョに因んだものが有名です。
カルパッチョが薄切りの生牛肉にパルミジャーノ・レッジャーノ(チーズ)をかけた料理を好んだからとも、生牛肉の赤い色が彼の作風に似ていたからともいわれています。
近年では ヴェネツィア のレストランが60年ほど前に考案した料理であるとの説も有力になっていますが、実際のところはわかりません。
魚介類を使ったカルパッチョは日本で考案されたものだといわれていますが、最近では本場のイタリアでも人気急上昇中です。
タコやサーモン、エビなどを具材としたカルパッチョは世界的な「刺身ブーム」の影響を受けたもの。
ぜひ元祖日本の刺身カルパッチョと食べ比べしてみたいものですね。
パンを使ったイタリア料理の軽食で、コース料理の前菜として登場したりすることも。
家庭でもささっと手軽に作る事が出来るので、とてもポピュラーな一品と言えるでしょう。
太陽の恵みをたっぷりと受けたイタリアのトマトは味が濃くてとにかく美味しいので、トマトを活かしたブルスケッタが美味しいのは言うまでもありません。
元々はローマなどイタリア中部地方の郷土料理で、その名前もローマ方言で「(炭火で)焼いて焦がしたもの」という意味があるそうです。
今ではトスカーナやカンパーニャなど全国的に広がり、特色のあるレパートリーを楽しめます。
薄くスライスしたバゲットをグリルなどで焼き、表面にガーリックをすり込ませてから再度焼きあげます。
オリーブオイルや塩胡椒、またはトマトソースやアンチョビなどをトッピングすれば完成です。
トッピングする具材は自由で、アレンジ次第ではとても華やかなブルスケッタになります。
ナポリなどカンパーニャ州ではトマトやオレガノをトッピング、フィレンツェなどトスカーナ州ではガーリックをすり込んだトーストを指すなど地域によっても異なります。
ブルスケッタによく似た料理に、クロスティーニ(crostini)というものが存在します。
同じパン料理ですが、より小さなパンを使用しており、ガーリックをすり込ませていないなどの特徴があります。
こちらもトッピングの組み合わせは自由で、前菜として提供されることが多い料理です。
特に有名なのが、鶏レバーのペーストをのせたクロスティーニ。
アンチョビ、玉ねぎなどを入れて作るレバーは濃厚でクリーミーな味わいです。
レバーが苦手という方でも、この鶏レバーは別物という声をよく聞くので、メニューに見つけたときはぜひ試してみてください。
標準的なコース料理では、前菜のあとにメイン料理が登場しますが、イタリア料理には間にもう一皿が入ります。
この第一主菜(プリモ・ピアット)に含まれる料理は、パスタやリゾットなど一般的に認識されるイタリア料理の定番メニューです。
一皿だけというわけではなく、お店によっては数皿になることがあります。
イタリア料理のコースは始まったばかりですが、この段階でお腹いっぱいになってしまうかもしれませんね。
イタリア料理と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やっぱり パスタ ですね。
イタリアにおけるパスタの歴史は古く、紀元前4世紀の古代エトルリア文明にまで遡るそうです。
パスタといえばスパゲッティやマカロニ、ペンネ、ラザニアなどが知られていますが、実際には地域限定のものを含めれば650種類以上にも及ぶといわれています。
原材料は小麦粉(デュラム粉)で、マカロニなどに代表される「ショートパスタ」とスパゲッティに代表される麺状の「ロングパスタ」に大別されます。
さらに、形状や太さなどによって、カペッリーニやイングイネ、ペンネやニョッキなど細かく分類されています。
イタリア人にとって欠かせないパスタ。
現地では日本ではあまりお目にかかれないレアなパスタも楽しめますよ。
国民食であるパスタには、イタリア各地に郷土色豊かなバリエーションが存在します。
旅先でお国自慢のパスタに舌鼓を打ってみましょう。
「ナポリタン」は日本で人気のあるスパゲッティメニューですが、実際のところナポリ発祥の料理ではありません。
トマトケチャップで炒めたナポリタンは日本発祥の料理で、戦後まもない頃、横浜にあるホテル・ニューグランドが提供したのが始まりとされています。
それでも「ナポリ風」のパスタといえば、やはりトマトソースがベースとなっているものが中心です。
中でも「スパゲッティ・アッラ・プッタネスカ」は、ナポリ市民の間で絶大な人気を誇ります。
「プッタネスカ」とはイタリア語で「娼婦風」という意味。
名前も刺激的ですが、味もスパイシーで刺激的です。
ニンニクや唐辛子を加えたトマトソースに、アンチョビやケッパー、黒コショウなどで味付けしています。
日本のナポリタンとは全く違う、本場のナポリパスタ(ナポレターナ)を楽しんでみましょう。
イタリア北部にある都市・ボローニャのご当地パスタです。
ボロネーゼだけではピンとこない人も多いと思いますが、実は日本でも人気の「ミートソーススパゲッティ」のこと。
牛肉や豚バラ肉の挽肉に、玉ねぎやニンジンなどの野菜、赤ワインやトマトペーストを合わせて作ります。
日本のミートソースと違いトマトケチャップは使わず、「そぼろ」に近い姿です。
本場ではスパゲッティよりも、太麺のタリアテッレが好まれます。
食べる直前にパルミジャーノチーズをたっぷりかけていただきましょう。
「ネーロ」とは「黒い」という意味。
好きな人にはたまらない珍品、イカスミスパゲッティのことです。
オリーブオイルやニンニクで炒めたイカスミをベースにした真っ黒な姿が特徴で、具材もイカの輪切りなど魚介類が中心の海鮮パスタ。
「アドリア海の女王」と称される観光都市・ヴェネツィアの名物料理です。
イカの旨味がたっぷりの絶品パスタとして人気がありますが、ヴェネツィアに行ったら必ず食べられる訳ではけありません。
当日の朝に新鮮なイカが水揚げされなかったら、その日は提供しないレストランも多いです。
リゾットはイタリア風の雑炊、日本人には馴染みの深いお米を使った料理です。
意外なことですが、イタリアはお米の生産量がヨーロッパで一番多い国で、主に北部を中心に広く栽培されています。
イタリアで栽培されているお米は日本のものと比較して大粒で、粘り気が少ないのが特徴。
本場では全体的に水分が少ない仕上がりとなっており、日本で食べる雑炊風のリゾットとは味覚が異なります。
日本ではお米を焚く前に「研ぐ」習慣がありますが、イタリアでは研ぐことはしません。
お米をそのままバターやオリーブオイルなどで炒め、野菜や魚・肉などのブイヨンで煮たてて作ります。
全体的にふっくらと仕上げるというよりは、コメの中心がアルデンテの状態になれば完成です。
使用するお米も、新米より硬めに仕上がる古米が好まれる傾向があります。
今ではイタリア全土で食べることができるリゾットですが、流通量は生産地に近いピエモンテ州などの北部が圧倒的!
チーズやキノコ、トマトソース風味などが定番ですが、イカスミやシーフードなどバリエーションも豊富です。
パスタ同様、プリマ・ピアットの一皿として登場します。
「ズッパ」とはイタリア語でスープのことを指します。
イタリア料理のスープといえば、野菜たっぷりの「ミネストローネ」が有名ですが、こちらのズッパも日本国内のレストランで提供されるようになりました。
具沢山で、パンを浸しながら食べるスタイルが一般的。
いってみれば「食べるスープ」です。
日本人の感覚からすれば、スープというよりシチューやポトフに近いイメージがあるかもしれません。
古くなり固くなってしまったパンを、柔らかく食べられるように考えられた家庭料理がルーツだと考えられています。
余ってしまった野菜や旬の農産物をふんだんに煮込み、具だくさんで栄養たっぷりのスープに仕上がります。
特に冬の寒い時期には、芯から温まる料理として人気を集めています。
素朴な家庭料理からスタートしたこともあり、バリエーションはとても豊富です。
魚介類をたっぷり煮込んだ「ズッパ・ディ・ペシェ」も高い人気があります。
南部では、パンの代わりにミニパスタを使っているレストランもあるそうです。
よく知られているイタリア料理は「第一主菜」で登場してきましたが、実はこれからが本番。
メインディッシュは肉料理か魚料理が提供されるケースがほとんどです。
肉料理は、地域によって特色がある料理がたくさんあります。
その中から、特におすすめしたいメニューを厳選してご紹介します。
ミラノ はイタリア経済の中心地。
豊かな土地柄を象徴するように「黄金色」に輝く料理が多いといわれています。
ミラノ風カツレツは、そんなミラノを代表する名物料理で、黄金色に輝く衣が特徴です。
イタリア語料理名の「コトレッタ(Cotoletta)」は、英語では「カットレット(cutlet)」と言います。
この言葉を語源として日本語の「カツレツ」が誕生しました。
ミラノ風カツレツの原材料となる肉は仔牛肉。
日本ではほとんど流通していない貴重なもので、とても柔らかく淡白な味わいが特徴です。
そんな仔牛肉を叩いて引き伸ばし、パン粉やバター、パルメザンチーズなどで衣をつけて、黄金色になるまで焼きあげます。
ソースなどの調味料をかけずに、シンプルにレモン果汁を搾って食べるのがミラノ流だそうです。
名物郷土料理ではありますが、現地ではわりと高級料理の部類に入ります。
有名なレストランで注文したら、日本円に換算して3,000円以上の値が張ることもあります。
それでも、ミラノに行ったら記念に食べておきたいですね。
「フィレンツェ風Tボーンステーキ」ともいわれ、 フィレンツェ を中心としたトスカーナ地方の名物郷土料理です。
この料理に使用される牛肉は、トスカーナ地方キアーナ渓谷の在来種である「キアニーナ牛」。
成長すると世界一の大きさになる白毛牛で、肉質は霜降りにならず、噛めば噛むほど味わいが深くなる特徴があります。
今では生産量も激減し、門外不出の逸品として、長い期間イタリア国外では食べることができない幻の味でした。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは、そんなキアニーナ牛の「Tボーン」部位を贅沢に使ったステーキです。
サーロイン肉とフィレ肉を同時に味わえる料理で、骨付きのまま提供されます。
じっくりと焼きあげた赤身肉のステーキはジューシーで肉厚。
一度食べたらやみつきになること間違いありません。
ルネサンスが栄えた中世の頃からフィレンツェの名物料理として知られていましたが、今ではすっかり高級料理となりました。
それでも市民の間で圧倒的な人気を誇る絶品ステーキ。
本場の味を満喫したいものですね。
直訳すると「骨の穴」という意味の、ミラノを中心としたロンバルディア地方の伝統肉料理です。
日本語で表記すれば「仔牛すね肉の煮込み」。
穴の開いた仔牛の骨付きすね肉を輪切りにして煮込みます。
日本では馴染みが薄い食材を使った料理なので知名度は今一つですが、現地では人気のある料理のひとつです。
仔牛の骨付きすね肉は比較的安価で入手可能ですが、風味が豊かで煮込むほど柔らかくなるという特徴があります。
煮込む際に、骨の真ん中にある骨髄が縮んで穴ができることが現地名の由来です。
ブイヨンを加えて1~2時間ほどかけてじっくりと煮込み、ワインや香辛野菜、レモンの皮やニンニクなどで作る「グレモラータ」で味付けします。
旨味が凝縮されたトロトロな肉の食感と、ほろ苦く爽やかなグレモラータとの相性は抜群です。
ミラノでは、オッソ・ブーコにサフランで色づけした黄金色のリゾットを添えて食べるのが一般的。
見た目も華やかなうえ、美味しさも倍増します。
1000年以上の歴史を持つといわれる、伝統ある料理です。
三方を海で囲まれた半島であるイタリアは、海の幸も驚くほど豊富な国です。
日本の食卓でもお馴染みの魚介類だけでなく、ほとんどお目にかかれない珍しい食材も楽しむことができます。
特にナポリやヴェネツィアなど海に面した観光地では、絶品の海鮮料理が期待できます。
そんなイタリアで食べたい絶品海鮮料理をまとめました。
イタリアを代表する海鮮料理といえば、アクアパッツアの名前が筆頭に挙げられますね。
ナポリを中心とした南イタリア・カンパーニャ州の郷土料理で、魚の出汁から採れる旨味たっぷりのスープが絶品です。
オシャレな名前ですが、実はイタリア語で「気が狂った水」という意味があります。
漁師が海水だけを使用して魚を煮込んだ料理が、このアクアパッツアのルーツともいわれています。
ブイヨンなどの調味料を使用せず、水と少量の白ワイン、あるいはトマトだけを使って魚を煮込みます。
使用する魚はタイやスズキ、カサゴやメバルなどの白身魚が中心ですが、サバなどの青魚を使うこともあります。
味の主張が激しい赤身魚は使わないそうです。
魚のほか、アサリやムール貝などの貝類やエビやタコなども具材として使用されます。
骨や皮から旨味が多い出汁が出るので、切り身よりも小魚をまるごと使う方が好まれるようです。
じっくり煮込んだ魚介に、イタリアンパセリやニンニク、オリーブやトマトなどを加えれば、アクアパッツアが完成します。
煮込まれた具材の美味しさも抜群ですが、旨味たっぷりの濃厚スープの味は絶品!
シンプル料理ながら、奥深い味わいが楽しめますよ。
イタリアでは魚料理は高級品扱いで、一般的に肉料理よりも割高です。
今ではイタリア全土で魚料理を楽しめますが、新鮮な魚介類を味わいたいのなら、やはり海のそばで食べるのが一番でしょう。
ヴェネツィアはそんな新鮮な海の幸がたっぷり楽しめる街。
イカスミやアカザエビ、クモガニなどユニークな食材を使った料理も満載です。
「魚介のフリット」は、具材をフライにしただけのシンプルな料理ですが、新鮮な魚介類の揚げたてを食べられるとあって、ヴェネツィアを代表する名物料理となっています。
「フリット」とはイタリア語で揚げ物のこと、英語のフリッターと同じです。
イタリアでは小麦粉などを使ったフライとは異なり、卵黄を泡立てて作ったメレンゲを衣として使った揚げ物を指すことが多いようです。
ふんわりとして、油っこさのない食感が魅力的です。
ヴェネツィアの「魚介のフリット」は、新鮮なアドリア海の海の幸を使った揚げ物料理です。
イカやエビ、白身魚などが一般的な具材ですが、特に「カラマリフリット」とよばれるイカフライは絶品。
本場ヴェネツィアでは一品料理としてだけでなく、ビールやワインのおつまみや前菜として提供されることも多いようです。
イタリア発祥のグルメとして、パスタとともに全世界的に絶大な人気を誇るピッツァ(pizza)。
本場イタリアではレストランで提供されることは少なく、ピッツァ専門店(ピッツェリア)などで気軽に味わえる軽食としての位置付けが強いです。
ピッツァの歴史は古く、原型は古代エジプトにまで遡るという説もありますが、現在のピッツァは18世紀のナポリで誕生したといわれています。
今ではイタリア全土に普及し、地域ごとに特色があるピッツァを楽しむことができます。
本家ナポリのピッツァと比較して、北部ミラノは円周が大きくて生地が薄いという特徴があります。
ローマは地理的な要因もあり、ミラノとナポリの中間の厚さだといわれています。
また、形状によっても違いがあり、通常の円形タイプのほか、2つ折りにした半月状のもの(カルツォーネ)や四角形のものも存在しています。
なお、日本を含めて世界的に広まっている「ピッツァ」は、アメリカ風にアレンジされたアメリカ発祥の「ピザ」。
元々のルーツは同じでも、味付けやスタイルが異なる代物です。
ぜひ元祖ピッツァの味も楽しんでみてください。
ピッツア発祥の地・ナポリを代表するピッツアです。
ナポリピッツアは、実のところ「マルゲリータ」と「マリナーラ」の2種類しかありません。
トマトソースをベースにしている点では同じですが、マルゲリータはバジルとモッツァレッラチーズ、マリナーラはニンニクを使っている点で違いがあります。
マルゲリータの名前は、かつてのイタリア王妃の名前から採用されています。
1889年に当時のイタリア国王ウンベルト1世夫妻がナポリを訪れた際、現地のピッツア職人に記念となるピッツアを作られたことがはじまりです。
トマトソースの赤、モッツァレッラチーズの白、バジルの緑がイタリア国旗を彷彿させ、マルゲリータ王妃がとても気に入ったそう。
シンプルな具材ですが、とても奥深い一品です。
「ボスカイオーラ」とは木こり風という意味があります。
ボスコ(bosco)がイタリア語で森を表すように、森の恵みであるキノコをふんだんに使ったピッツアです。
使用するキノコは、しめじやマイタケ、エリンギなどのほか、幻のキノコ・ポルチーニ茸を入れることを忘れてはなりません。
各種キノコの具材に、ツナ缶やトマトソース、ホワイトソースをトッピングして完成します。
キノコの香りや味わいをたっぷり満喫できるピッツアで、どちらかといえば山地に近い地方で食べることができます。
低カロリーなうえ、栄養満点な点も嬉しいところですね。
イタリアンドルチェ(dolce)といえば、若い女性を中心に根強い支持を受けているグルメですね。
過去に大ブームを起こしたドルチェも多く、日本国内での知名度が相対的に高いといえます。
30年近く前に日本国内で大ブームを起こし、今もなお根強い人気を誇るイタリアンドルチェの王者・ティラミス。
20世紀後半の北イタリアで発祥した、比較的歴史の新しいデザートです。
北イタリア特産のマスカルポーネチーズに、エスプレッソを染み込ませたスポンジケーキ、表面にまぶしたココアパウダーで構成されています。
ちなみに、ティラミスとはイタリア語で直訳して「私を引っ張り上げて!」、転じて「私を天国に連れていって!」という意味です。
日本で作られるティラミスはスポンジケーキを使用していますが、本場のイタリアではビスケット菓子「ビスコッティ・サヴォイアルディ」を使っています。
多孔質で軽く、とっても甘いビスケットなので、イタリア旅行に行った際には本場の味と食べ比べてみたいですね。
ジェラートの発祥はフィレンツェといわれ、「gelato」はイタリア語でズバリ「凍ったもの」を意味しています。
その原型は古代ローマの時代に遡るとされ、往年の名画『ローマの休日』の中で、オードリー・ヘップバーン演じる王女アンがジェラートを食べていたシーンも有名です。
イタリア人にとってジェラートは、夏の時期には欠かせない存在となっています。
フィレンツェで誕生したジェラートですが、「いったいアイスクリームとどこが違うの?」と思われるかもしれません。
乳製品をクリーム状にして冷やした点は一緒ですが、アイスクリームの乳脂肪分が8%以上と定義されているのに対して、ジェラートは4~8%までと低めです。
果汁や果実をふんだんに使用していながら、アイスクリームよりも低カロリーで、よりヘルシーな食べ物といえます。
本場イタリアでは、日本にはない珍しいフレーバーがたくさん販売されているので、ぜひ試してみてください。
イタリアは多くの観光資源に恵まれた魅力的な国です。
日本でも行ってみたい国の上位にランクインされています。
イタリア旅行の際には、観光と共に本場の人気グルメを味わってみてください。
最終更新日 : 2022/05/17
公開日 : 2021/05/28