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台湾
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台湾料理と聞いて、皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか。
おそらく中国(中華)料理の一種なのではと思われる方がほとんどだと思います。
中華圏に位置付けられているので、中国料理が主流であることは事実ですが、実際にはもっと多様性に富んでいます。
台湾という島が経験してきた複雑な歴史的背景により、中国だけでなく日本や西洋、そして先住民の食文化が混ざり合った独自の料理が発展してきているのです。
また、周囲を海に囲まれ、3,000m級の山々が連なるなど、小さな島にも関わらず多様な大自然に恵まれているため、食材となる海や山の幸も驚くほど豊富に存在しています。
そんな台湾料理を総括すれば、清朝時代までに台湾に移住した人々(本省人)のルーツである福建・広東料理をベースに、台湾で採れる豊かな食材をふんだんに使った郷土料理ということになります。
台湾の正式国名は「中華民国」。
第二次世界大戦後に起きた中国内戦(国共内戦)の結果、敗れた蒋介石の国民党政府(中華民国政府)は台湾に亡命政権を樹立しました。
政府とともに大陸から多くの民間人も移住することになり、以降台湾は本土から来た人たち(外省人)が支配する土地になったのです。
台湾の食文化が中国料理中心になったのは、本省人の影響によるものであり、それほど歴史が古いものではありません。
実際のところ、国民党政権と一緒に大陸の一流シェフたちも台湾に移住しており、各地の本格的中国料理が本土以上に味わえるとも言われています。
もともと先住民が暮らしていた台湾は、近世以降めまぐるしい歴史の波に翻弄されました。
17世紀にオランダの支配を受け、一時的な独立ののち清朝の支配下に置かれることになりました。
そして、日清戦争の結果、第二次世界大戦が終結するまでの50年間、日本の植民地下に置かれることになったのです。
こうした歴史的経緯から、先住民の食文化、清朝の時代に大陸から渡ってきた人々の食文化(福建・客家)、オランダそして日本の食文化も混在した独自の料理が確立されることになりました。
戦後にはアメリカの食文化、最近では日本をはじめ多くの国の先進食文化を吸収しながら、ますますオリジナリティ溢れる料理となっています。
多様性に富んだ台湾の料理ですが、やはり中華圏だけあって中国系の料理が中心です。
中国料理といえば油をたっぷり使用した濃い味付けという印象がありますが、台湾で食べる中国料理は意外とさっぱり味!
油も塩分も控えめで、ヘルシーな味付けといえます。
また、八角やパクチー、ラッキョウやニンニクなど香りが強い薬味をふんだんに使った料理が多いことも特徴です。
さらに日本統治下の影響もあって、醤油や鰹節、椎茸の出汁などを使った和風のバリエーションもあり、日本人には親しみやすい味付けとも言えます。
台湾風にアレンジされた天ぷらや寿司、刺身などの和食も食べ比べてみたいものですね。
周囲を海で囲まれているため、新鮮な海の幸を使った料理も豊富。
山岳の自然も豊かなので、野菜や山菜など山の幸を使った料理も多いです。
肉は牛肉よりも豚肉の方が食べられています。
また、北部の台北や南部の台南や高雄など、地域によっても特色ある料理が楽しめます。
全体的には、素朴で家庭的な料理が中心と言えます。
台湾料理は一流のレストランで食べても素晴らしいのですが、可能な限り庶民的な大衆食堂や夜店、屋台でも味わってみたいものです。
ここでしか味わえないローカルな絶品グルメに出会えるかもしれません。
台湾は麺料理の宝庫で、驚くほど多くの麺を楽しむことができます。
大陸にルーツがある麺料理だけでなく、台湾発祥の絶品グルメも多数。
中には日本にある有名ご当地グルメのモデルになったメニューまであるので、台湾を訪れたら要チェックです。
「担仔麺(タンツーミェン)」は、台湾で最も人気のある麺類です。
エビ出汁とパクチーの風味が爽やかなエスニック風の麺で、具材にはそぼろ肉やエビ、ニンニク、もやしなどが使われています。
スープは味噌味ベースが中心で、中細のストレート麺が特徴です。
元々は台湾南部の都市・台南の名物郷土料理でしたが、今では台北をはじめ台湾各地で食べることができます。
担仔麺の食感は、辛くない「担担麺」といったイメージです。
豚のそぼろ肉をトッピングするなど四川料理の担担麺にそっくりですが、こちらは花椒や辣油など激辛香辛料は使っていません。
ちなみに「担仔麺」と「担担麺」は名前も似ていますが、そのネーミングの由来も一緒です。
「担仔」も「担担」も天秤棒のことで、この料理を天秤棒で担いで売り歩いたことから命名されました。
担仔麺は、丼ぶりの大きさに比べて少なめの量で提供されることがほとんどです。
「小吃(シャオチー)」として屋台などで食べることができますが、本場台南では満足度が高い名店がたくさん存在します。
なお、名古屋のご当地グルメ「台湾ラーメン」は、この担仔麺をベースに辛口アレンジされたものです。
「牛肉麺(ニョウロウミェン)」は、文字通り牛肉を具材にした麺料理です。
使用する麺はコシが強い太麺で、日本人の感覚でいえば中華麺というよりも「うどん」に近いかもしれません。
牛肉や牛筋を煮込んだ濃厚なスープに、牛肉の大きな塊や牛筋、高菜や青梗菜などの具材がトッピングされています。
味付けに八角や花椒などを使用することがあるため、辛い料理との印象を受けますが、一般的には思ったよりもマイルドな味に仕上がっています。
ルーツは中国大陸の伝統ある麺料理で、甘粛省・蘭州名物の「蘭州拉麺」が似たような料理として知られています。
台湾に入ってきたのは第二次世界大戦後のことで、大陸から渡ってきた外省人によって持ち込まれました。
元来台湾には牛肉を食べる習慣がなかったのですが、この料理の味が瞬く間に評判となり、今では台湾でも最もポピュラーな麺料理のひとつとなっています。
現在の牛肉麺は、大陸直伝の辛口味からマイルドな味のものまでバリエーションが豊富に存在します。
提供するお店によっても具材や味付けが異なるので、食べ比べてみるのも楽しいでしょう。
例えば「紅燒牛肉麵」は豆板醤をふんだんに使った濃いめの辛口味、「清燉牛肉麵」は花椒などを使用していますが薄めのさっぱり味となっています。
現地のスーパーマーケット等では、牛肉麺のインスタントラーメンも販売されているそうです。
「大腸麺線(ダーチャンミェンシェン)」なんて、凄くインパクトの強いネーミングですね。
名前だけを聞いたら恐ろしい料理が運ばれてきそうな気がしますが、台湾ではとても人気がある麺料理です。
まず「麺線」とは素麺のこと。
そうとはいっても日本の「そうめん」とは全く異なる食感です。
そうめんのようにコシがなく、長時間茹でたインスタントラーメンのように柔らかな食感。
鰹節ベースのとろみが効いたスープに入れて食べます。
そして、大腸とはそのまま豚の大腸のことで、輪切りにしてトッピングします。
日本風に例えるなら、トロトロのモツ煮込みに柔らかい細麺を入れた料理ということになりますが、その風味はモツ煮込とも違う独特のものです。
一度食べたらやみつきになること必至で、台湾では屋台のテイクアウトメニューとしても人気があります。
台北の西門町にある「阿宗麵線」が有名ですが、台湾各地に味付が異なる名店があるので食べ比べてみるのも楽しいでしょう。
大腸麺線のほかにも、牡蠣を具材に加えた「蚵仔麺線」というメニューもあり、こちらもおすすめです。
台湾ではとてもポピュラーな料理ですが、日本ではまだ提供するお店が少ないので、ぜひ本場で味わってみたいものですね。
台湾は麺料理だけでなく、飯料理も絶品です。
気軽に味わえる庶民的な料理が中心ですが、徐々に日本国内でも知名度が挙がり人気が高まりつつあります。
そんな台湾飯から、ぜひ食べていただきたい逸品をご紹介します。
日本でも知名度が高まりつつある「魯肉飯(ルーローハン)」。
台湾で最もポピュラーな飯料理のひとつです。
脂身の多い豚バラ肉を醤油やみりん、砂糖などで甘辛く煮込んだ具材は、温かい白米(台湾米)にとてもよく合います。
庶民的な味覚として、台湾にあるどんな小さな食堂でも提供される定番料理です。
丼飯ではありますが、台湾では日本の牛丼や親子丼にように単品で食べることはありません。
提供される丼ぶりも日本の茶碗程度と小さめで、おかずやスープなどと一緒に「定食」として食べるのが一般的です。
「台湾風豚角煮丼」と邦訳されることもありますが、味付けもお店や地域によって様々で、角煮のようなスタイルからそぼろ肉までバリエーションも豊富にあります。
台北など台湾北部ではそぼろ肉タイプが多く、高雄など南部では角煮タイプの塊で提供されることが多いようです。
甘辛ベースの醤油味は日本人の味覚にも良く合います。
2020年には「日本流行丼大賞」のグランプリに選ばれているほど。
台湾で最も愛されるソウルフードの魯肉飯、現地に行ったらぜひとも食べておきたいですね。
※魯肉飯の関連記事: 台湾の味!魯肉飯(ルーローハン)の作り方とアレンジレシピを紹介
「鶏肉飯(ジーローハン)」は名前の通り「鶏肉」を具材にした丼ぶり飯で、前述の「魯肉飯」とともに台湾で最も庶民的な料理です。
鶏のモモ肉(またはムネ肉)を細かくほぐし、甘辛ベースを油タレを上からかけて完成します。
シンプルな料理ですが、鶏の旨味とタレの風味が絶品で、さっぱりとした味わいが魅力的です。
鶏肉を使用するという共通点以外はバリエーションが豊富で、魯肉飯同様にお店や地域によって様々な味わいが楽しめます。
庶民的な料理だけあって値段も安く、30~50元(日本円で120~200円)が相場となれば、旅行者にとっても嬉しい限りです。
お店で食べるほか、屋台にも美味しい鶏肉飯を提供するお店がたくさんあります。
今では台湾全土に普及している鶏肉飯ですが、もともとは台湾南部・嘉義市一帯で食べられていた郷土料理でした。
こちらでは鶏肉だけでなく、七面鳥の肉を使った「火鶏肉飯」も人気で、いつもの鶏肉飯とは違った食感を楽しめますよ。
「排骨飯(パイコーハン)」は日本でも馴染みのある料理で、中華麺にアレンジした排骨麺も人気があります。
魯肉飯、鶏肉飯とともに「三大台湾飯」に数えられますが、そのうち一番日本人には馴染みが深いかもしれません。
排骨とは豚のあばら肉のことで、英語ではスペアリブと呼ばれています。
この排骨に溶き卵と小麦粉、片栗粉などで衣をつけて油で揚げ、醤油味のタレを絡めて白飯にのせたら完成です。
カリッとジューシーな味わいと豚肉の旨味がたっぷりの料理で、ボリュームも満点な丼飯となっています。
下味が染み込んだ排骨肉はしっかりとした味わいで、油で揚げているのもかかわらず、油っこいしつこさがありません。
日本の中華料理店で食べる排骨飯は、一般的に骨を除いたものが多いのですが、台湾では骨付きでの提供が一般的です。
多くの食堂で提供されているほか、屋台などでも食べることができます。
現地では台湾鉄道の駅弁に採用されるなど、深く愛されている料理です。
台湾料理には、おかずとして、またはお酒のつまみとしても最適な一品料理のレパートリーもたくさんあります。
豊かな自然に恵まれた台湾では、地産の海の幸や山の幸など具材も豊富。
そんな台湾でしか味わえない一品を満喫してみてください。
周囲をまるごと海に囲まれた台湾は、美味しい海産物がたっぷり味わえるところです。
日本と同じように海産物の消費量も高い特徴があります。
「花枝丸(ホヮジーワン)」は、プリプリとした食感がたまらない台湾名物グルメです。
現地のレストランのほか、大衆食堂や屋台でも楽しむことができます。
「花枝丸」とは、ずばりイカ団子のこと。
「花枝」とはイカ、特にコウイカを指し、「丸」はそのとおり丸っこいものを意味しています。
コウイカが使われるのは、スルメイカなどよりも身が厚くて粘り気があるからだそうです。
新鮮なコウイカをすり潰してペースト状にし、団子にしてから油で揚げて作ります。
とてもシンプルですが、凝縮されたイカの旨味と甘みが絶品で、そのままでも美味しく食べられる料理です。
日本ではまだ認知度が高いとはいえませんが、台湾ではポピュラーなおかず料理。
この味に感激して、わざわざ台湾まで食べに行く日本人も多いそうです。
「鹹蜊仔(キャムラーア)」は「シジミの醤油漬け」のこと。
台湾では古い歴史がある伝統料理のひとつです。
シジミを醤油やニンニク、ショウガなどで煮込み、ネギや唐辛子、砂糖や酒などを加えて作ります。
一品料理として食べるほか、紹興酒など酒の肴としても人気のある料理です。
使用するシジミは台湾原産の「タイワンシジミ」。
日本原産のヤマトシジミよりも大ぶりで、黄色っぽい派手な貝殻に特徴があります。
加食部分が大きいので、通常の食用シジミより食べ応えがたっぷりです。
オルニチンや鉄分を多く含むため、疲労回復や健康増進にも効能がある健康食材でもあります。
少し濃いめの味付けながら、シジミの旨味が溶け込んだスープの味もたまりません。
シジミに馴染みのある日本人には、懐かしく感じられる一品料理です。
「下水湯(シャーシュウェイタン)」は、見かけも爽やかな透明スープです。
「下水」は動物の内臓、「湯」はスープのことで、下水湯とは、豚のモツや鶏の砂肝などの内臓を煮込んだスープのことを指します。
内臓のスープといえば独特のクセがありそうなイメージがありますが、新鮮な内臓(モツ)を使用し、生姜やネギと一緒に煮込んでいるため生臭さは全くありません。
澄んだスープの味はあっさりしていますが、モツの旨味がたっぷりです。
もつ煮や内臓料理が苦手な人でも、抵抗なく味わうことができるでしょう。
これまで日本ではあまり知られていない料理でしたが、ドラマ『孤独のグルメ』で紹介されたこともあり一躍知名度がアップしました。
本場台湾ではレストランや大衆食堂のほか、屋台などでも販売されています。
単品のほか、魯肉飯や鶏肉飯などのお供に注文しても美味しいですよ。
台北を歩くと火鍋屋さんにあたる、といっても過言ではないほど良く見かける火鍋店。
火鍋とは鍋料理全般を指し、中国から伝わったそのままの火鍋、台湾でアレンジされた火鍋などその味は様々です。
台湾で人気があるのは、真っ赤な辛いスープで知られる四川の麻辣火鍋や、薬膳火鍋、発酵させた白菜がたっぷり入った酸菜白肉火鍋など。
たっぷりの野菜に豆腐や練り物、豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉などを入れて、自分で調合したタレに付けていただきます。
色々な味を試してみたい方には、2種類のスープが味わえる「鴛鴦鍋(おしどり)」を選びましょう。
火鍋、ドリンク、デザートまで含めてすべて食べ放題のお店もあり、安くてお腹いっぱいになりたい方におすすめ。
食べ放題ではないお店は、最初に「鍋底」と呼ばれるスープを選び、具材をオーダーする形式です。
日本語メニューや写真メニューがあるお店もあるので、オーダーに困ることはないでしょう。
台湾で火鍋や脂っこい食事の時に一緒に飲まれる定番といえば、さっぱりとした梅ジュース(酢梅湯)です。
歴史の深い医食同源ドリンクなのでぜひ試してみてください。
台湾グルメの醍醐味といえば、何といっても屋台!
庶民的な雰囲気のなかで、安くて絶品の料理(小吃)を味わうことができます。
これまでご紹介してきた料理のほとんどが屋台でも食べることができますが、台湾屋台はもっとディープな世界。
そんな屋台で楽しみたいとびきりのグルメをまとめました。
夜市の屋台でも大人気の小吃・「蚵仔煎(オアチェン)」。
日本語で表記すれば「牡蠣入りのオムレツ」となります。
オムレツといっても玉子だけでなく、デンプン系の生地が主材料となっているため、どちらかといえばお好み焼きに近いイメージです。
元々は福建料理の流れを組む食べ物で、大陸の福建省や香港、ルーツを同じくする台湾で広く食べられています。
なお、類似する料理はタイやマレーシアなど東南アジア諸国にもあるそうです。
「蚵仔」とは牡蠣のことで、蚵仔を炒める(煎る)から蚵仔煎!
小粒の牡蠣がたくさん入っています。
調理方法や味付けはお店によって異なりますが、一般的には鉄板で牡蠣と青菜を炒め、片栗粉と溶き卵で綴じて作ります。
焼き上がった後に、オイスターソースや豆板醤などで味付けしたら完成です。
台湾でとても人気のある料理のため、屋台だけでなく、レストランや大衆食堂など至るところで食べることができます。
しかし、屋台の定番グルメだけでに、雰囲気を楽しみながら夜市などの屋台で食べてみることをおすすめします。
どうしても牡蠣が苦手という人は、具材をエビに代えた「蝦仁煎」に挑戦してみましょう。
難しい漢字で表記する料理ですが、読み方は何と「テンプラ」!
そう、あの天ぷらのことです。
日本統治時代の名残が色濃く残るグルメ(小吃)で、魚のすり身を一口大にして油で揚げたもの。
関東では「さつま揚げ」として知られる食べ物ですが、九州地方など西日本では「天ぷら」と呼ばれています。
この天ぷらが台湾に上陸して根付いたもので、台湾北部の都市・基隆のご当地グルメにもなっています。
ちなみに、衣で揚げた通常の天ぷら(天麩羅)は「炸蝦」です。
日本でのさつま揚げは、そのままわさび醤油などをつけて食べることが多いですが、台湾屋台での「甜不辣」は異なります。
大根やちくわ、玉子などの具材と一緒に煮込み、熱くしてから食べるのが一般的です。
天ぷらというよりも、おでんに近い食べ方ですね。
甜不辣はさつま揚げよりもモッチリとした食感があります。
出汁がしっかりと染み込んでいるので、アツアツそのままの状態で食べても美味しく食べることができます。
タレや唐辛子などで味付けして食べても絶品です。
名産地の基隆では、独特の食べ方があります。
台湾特産の甘辛くて赤いソースをかけて食べるのが一般的で、キュウリとの相性も良いため、薄切りのキュウリの甘酢漬けを添えて提供されます。
世界には強烈な臭いを発する食べ物がたくさん存在します。
臭豆腐も激臭食品で、強烈なアンモニア臭に特徴があります。
元々は中国湖南省の郷土料理だったそうですが、今では華南地域を中心に広く食されています。
台湾では第二次世界大戦後に大陸から渡ってきた外省人によって広められ、今では屋台の定番料理になっています。
においの強弱を評価するAu値(アラバスタ―単位)にて、臭豆腐の値は420Au!
世界一臭い缶詰といわれるスウェーデンのシュールストレミング(8070Au)や韓国のホンオフェ(6230Au)と比べれば一桁以上低いですが、猛烈に臭いことは確か。
台湾人や中国人の間でも臭すぎて食べられない人が多いといわれています。
ちなみに納豆は452Au、くさやは447Auで、臭豆腐よりも上位にランクインされているのは意外ですね。
中国本土の臭豆腐は真っ黒なものや灰色のものもあるようですが、台湾や香港で流通している臭豆腐は油揚げのようなキツネ色のものが主流です。
植物の汁と石灰を混ぜ合わせ、納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に一晩程度漬けて作ります。
豆腐表面の植物性タンパク質が、漬け汁の作用で一部アミノ酸に変化し、独特の風味と強烈な匂いを発するようになるそうです。
台湾では油で揚げて豆板醤のタレをつけて食べたり(炸臭豆腐)、串焼きにしたり(烤臭豆腐)、辛いスープで煮込んだり(麻辣臭豆腐)、様々な調理法で提供されています。
臭豆腐料理を提供している屋台の周辺は強烈な臭気が充満し、10m以上先からも臭いが感じ取れるほどです。
意外なことに食べる時には臭いが緩和され、食べやすい料理に変貌します。
お土産に買いたくなるかもしれませんが、移動時の取り扱いは要注意です。
中国福建省の葱肉餅がルーツと言われる「胡椒餅(フージャオピン)」は、外はカリカリ、中はもちっとした皮に胡椒の効いた肉餡がたっぷり詰まったお焼きのようなもの。
台湾小吃(シャオチー)の代表選手ともいえる人気の一品です。
写真のように焼き窯の内側に張り付けるようにして焼き上げます。
ひき肉よりも大きめのブロックになった豚肉にしゃきしゃきの葱が入った肉餡は胡椒のピリッとした辛味がアクセントになっていて、癖になる味わいです。
肉汁たっぷりな上に焼き立ては熱々なので、やけどしないように注意してかぶりつきましょう。
どこで食べても大きく外す事はない胡椒餅ですが、地元の人にも観光客にも人気が高いのは、人気のある夜市の一つ「饒河街夜市」の中にある「福州世祖胡椒餅」です。
パリッとした皮はちょっとパイのような食感でほんのりと甘く、中の肉餡は結構パンチがある辛さ。
台北駅周辺にも支店があるので、見つけたらぜひ食べてみてください。
焼きあがるまで20分近くかかりますが、それでも焼き立ての味は格別です。
台湾はスイーツ天国で、トロピカルフルーツを使ったかき氷やジュース、絶品プリンやゼリーなどバラエティも豊富です。
記憶に新しいタピオカティーや急速に知名度がアップした豆花など、日本国内でも熱い注目を浴びてきています。
美味しいだけでなくヘルシーな台湾スイーツ。
現地で本場の味を体験してみてください。
知る人ぞ知る台湾の絶品ゼリー、「愛玉(オーギョーチ)」。
黄金色に輝く上品な姿とプルプルの食感が魅力的なスイーツで、現地でも大変人気があります。
台湾ではレモンシロップに浸して食べるのが一般的で、甘酸っぱいレモンの風味が爽やかな、特に暑い夏の時期に恋しくなる一品です。
この愛玉の原料はカンテンイタビ(アイギョクシ)という植物の実、実は台湾にしか自生していないんです。
カンテンイタビはイチジクの仲間ですが、台湾北部にある標高1,000m超の山間部にしか自生しないという珍しい植物です。
台湾が日本の統治下になって間もない明治後期、政府から派遣された牧野富太郎博士によって発見されたそうです。
このカンテンイタビの実は、ゴマをまぶしたしずくのような形をしていますが、この種を乾燥させて水中で揉むと、不思議なことに固まって寒天状になってしまうんです。
寒天状になった種が愛玉で、命名の由来はこの性質を発見した人の娘の名前に因んでいます。
愛玉は街中の屋台などで、1皿100円程度で販売されています。
ダイエットやデトックス、美白効果がある健康スイーツとして女性の間でも人気です。
日本でも大ブームになったタピオカミルクティー、この人気で一躍台湾スイーツが注目されたことは記憶に新しいですね。
ご存知の通り「タピオカパール」といわれる黒くて大きな粒が入ったミルクティーのこと。
ストローで吸い込むと弾力性のある食感が楽しめる、台湾発祥のユニークな飲み物です。
基本的に氷を入れた冷たい状態で提供されますが、ホットでの提供もあります。
そもそもタピオカとは、熱帯地方に植生するキャッサバの根茎から作られるデンプンのこと。
粘着性があり食材のつなぎなどに利用されていますが、このタピオカを球状に加工して乾燥させたものが「タピオカパール(スターチボール)」です。
プチプチした舌触りが特徴で、ゼリーのような食感があります。
タピオカミルクティーを考案したのは、台湾で50店舗以上を展開するお茶専門カフェ「春水堂」だといわれています。
今では台湾を代表する飲み物として専門店も急増しており、台湾全土で特色のあるメニュ―を幅広く楽しむことができます。
日本では味わえない現地だけのフレーバーも多数あるので、飲み比べしながら存分に楽しんでみましょう。
台湾で大人気のスイーツ・豆花(ドウファ)、日本でも急速に認知度が増してきました。
豆乳を固めて作られる「豆腐」のようなものですが、惣菜のイメージが強い日本の豆腐とは食べ方が異なります。
穀物や果物、かき氷やシロップなどを加えて味わうデザートのような存在です。
似たようなデザートに「杏仁豆腐」がありますが、こちらより柔らかくて滑らかな食感があります。
製法も異なり、杏仁豆腐があんずの種や牛乳を凝固剤として使うのに対して、豆花は食用石膏やかん水を使用しています。
また、杏仁豆腐よりも汎用性が高いことも特徴として挙げられます。
豆花のアレンジは基本的に自由なので、好みによってケーキのように極甘なトッピングをすることも可能です。
苺ミルクやチョコレート、マンゴーやバナナなどの果実を加えたり、暑い時期にはかき氷を加えての提供もあります。
大豆が原料なので、栄養素が高くてヘルシーなのも魅力的ですね。
台湾で自分にピッタリのフレーバーを探してみましょう。
台湾スイーツの中でも日本人に人気が高いのが「マンゴーかき氷(芒果冰)」。
あまりの人気ぶりに日本に支店ができた専門店もあるほどです。
一年中温暖な台湾では美味しい果物がたくさんありますが、中でもマンゴーは安くて美味しいので絶対に食べておきたいもの。
日本で一般的に台湾マンゴーと呼ばれているのは、台湾では愛文マンゴー、アップルマンゴーとも呼ばれています。
濃厚な甘さと香りに定評があり、旬の時期を心待ちにしている人も多いのだそう。
この愛文マンゴーは4月下旬から10月頃まで収穫できますが、旬は5月から7月で、この時期限定メニューが登場するお店もあります。
有名店の「冰讃(ピンザン)」はマンゴーの収穫時期のみ営業(4月から10月まで)。
新鮮さにこだわり、あらかじめ切っておかずにオーダー後にその場で切り分けます。
ミルクを凍らせて削ったふわふわの氷の上に新鮮なマンゴー、そしてたっぷりと練乳がかけられた「芒果雪花冰」は間違いがない美味しさです。
旬の時期のマンゴーを冷凍して使用しているお店もあるので、冬場に訪れても大丈夫。
シロップ漬けにされたマンゴーは、生マンゴーには負けますが、それなりに美味しいので試す価値はあります。
パンナコッタやマンゴーアイスがトッピングされたり、マンゴーソースがかかっていたりとお店によって様々な工夫がされているので、食べ歩きをしてみてはいかがでしょうか。
ここまで数々の台湾グルメを取り上げてきましたが、食べてみたいと思う料理はありましたか?
概して日本人の口に合うと言われる台湾料理。
実際に台湾に行って美味しいものを食べたいけれど、なかなか機会がないという方も多いはず。
そこで、ここからは日本でも本場台湾の味を楽しめる人気店をご紹介します。
台湾グルメは、レストランでかしこまって食べるというよりも、屋台や食堂のようなお店でカジュアルに楽しめるのが醍醐味。
そんなカジュアルなお店を日本国内から厳選してご紹介します。
台湾好きなら目にしたことがあるかもしれない「三商巧福」の文字。
台湾国内で約170店舗を展開している「牛肉麺」をメインにしたチェーン店で、日本でいうと某牛丼店のような存在です。
こちらの赤坂店は、日本唯一の店舗です。
店舗数からもわかるように、台湾では極々一般的に食べられている牛肉麺。
台湾を代表する麺料理の1つで、柔らかい牛肉や牛筋の出汁にちょっと太めの麺、青梗菜のトッピングというのが一般的で、味はお店によって若干違い、豆板醤などを入れて味変しながら食べるのが定番です。
人気の「牛肉麺」は単品で、並1,023円、肉盛1,265円(税込)。
「三商巧福」の牛肉麺は台湾の店と同じレシピなので、味は本場そのもの。
使用するのは柔らかい中落カルビ、洗練されたスープ、特製の平白麺を組み合わせた創業元年以来の味。
アレンジ版として「トマト牛肉麺」や「麻辣牛肉麺」、「ハチノス麺」なども用意されています。
台湾の庶民的なご飯として知られる「魯肉飯」や、屋台で人気の大きなチキン「鶏排」や、イカ団子の「花枝丸」といったメニューもあり、少しずつ色々な料理が楽しめます。
また、ランチタイムならお得なセットメニューが12種類もあり、白飯と選べる小皿料理が1品ついています。
リーズナブルに本場の庶民の味を味わってみたい方におすすめのお店なので、ぜひ足を運んでみてください。
住所 : 東京都港区赤坂3-12-11
マップ : Googleマップ
アクセス : 赤坂駅 2番出口から徒歩2分
電話番号 : 03-3588-8733
定休日 : なし(年末年始に休みあり)
営業時間 : 11:00~21:30(L.O. 21:00)
予算 : 1,000~2,000円
キャッシュレス決済 :
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩約6分。
横浜中華街の中華大通りに交わる路地を入ったところにある「886食堂」は、おしゃれで落ち着いた雰囲気の中で、本場さながらの台湾料理が味わえる人気店です。
気になる店名の886は、台湾の国際電話の国番号。
お店の1階はカウンター席、2階はテーブル席で、赤を基調とした店内は、台湾のノスタルジックな観光スポット九份を思わせるような雰囲気です。
おすすめは、台湾の朝食の定番「鹹豆漿(シェントウジャン)」780円(税込)。
温めた豆乳のスープの中に、2種類の干しエビ、小さくカットしたザーサイとお酢を入れ、おぼろ豆腐のように柔らかく固めた食べる豆乳です。
中華揚げパンの油条のハーフサイズが付いているので、ディップしていただきます。
こちらは「台湾魯肉飯(ルーロー飯)」1,000円(税込)。
台湾のご飯と言えばルーロー飯、というほどポピュラーな一品です。
じっくり煮込んだ豚の角煮は柔らかくほろほろとした本場の味。
スープと小菜がついていてランチにぴったりのサイズ感です。
接客も明るく感じが良いと評判の「886食堂」。
横浜中華街で台湾ご飯はいかがでしょうか。
住所 : 神奈川県横浜市中区山下町186-1
マップ : Googleマップ
アクセス : 元町・中華街駅から徒歩3分
電話番号 : 045-264-4286
定休日 : 月曜日
営業時間 :
予算 : 1,000~2,000円
キャッシュレス決済 :
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
大阪メトロ心斎橋駅から徒歩約10分。
「紅爐餐廳(ホンルーサンテン)」は、台湾名物の「石頭火鍋(スートーホーコー)」と、台湾人シェフが作る本格料理を楽しめるお店です。
メディアにも度々取り上げられ、店内には芸能人のサインがずらりと貼られています。
常連さんも多く、週に一度は通うという人もいるほど。
その理由は一度食べたらやみつきになるという石頭火鍋にあり。
名物の「石頭火鍋」は1人前4,400円(税込)注文は2人前からで、前菜、麺、デザート付き。
熱した石鍋に、まずはニンニクと玉ねぎを入れ、次に豚肉、いか団子、あさりなど約11種類の具材をごま油で炒め、鶏ガラスープと漢方が入った出汁を注ぎます。
ジューっという音にごま油の良い香り、スープを入れたら煮えるのを待つばかり。
ニンニクと漢方パワーは、夏バテで元気のない日にも、冬の冷えた身体にも効果抜群です。
他にも、台湾生ハムの湯葉薄パン包み「蜜汁火腿」1人前2個1,200円や、台湾ソーセージ「香腸」1,400円(各税込)など台湾ならではの一品料理がたくさん用意されています。
台湾の鍋料理に興味がある方はぜひ一度訪れてみてください。
住所 : 大阪府大阪市中央区東心斎橋2-7-12 ホワイトビル1F
マップ : Googleマップ
アクセス : 心斎橋駅 5番出口から徒歩10分
電話番号 : 06-6212-7207
定休日 : 日曜日
営業時間 : 17:00~23:00 ※祝日は21:00まで
予算 : 8,000~10,000円
キャッシュレス決済 : カード可(VISA、Master、Diners、JCB、AMEX)
禁煙・喫煙 : 全席禁煙
予約サイト・口コミ・クーポン : 食べログ
日本国内からおよそ3時間程度で行ける身近な国・台湾。
日本人の味覚にぴったり合う絶品グルメの宝庫です。
どこか懐かしさが感じられる街並みを散策しながら、美味しいグルメを満喫してみてください。
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最終更新日 : 2024/09/13
公開日 : 2021/06/08