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韓国
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今まで韓国料理のお店といったら、一般的な焼き肉店を指すことが主流でしたが、最近では本格的な韓国料理の専門店も増えてきました。
お馴染みのキムチや冷麺、ビビンバだけでなく、ダッカルビや参鶏湯(サムゲタン)など、これまであまり知られていなかった韓国料理のレパートリーも定着しつつあります。
しかし、同じ料理にも関わらず、日本国内で提供されているものと、本場・韓国で実際に提供されているものとでは、味付けやイメージが異なっている場合も多く見受けられます。
例えば「焼肉(プルコギ)」のように、よく知られている定番グルメについても、日本で味わうものとかなり違っているケースが少なくありません。
そんな現地で味わう定番グルメの特徴と魅力をたっぷりとご紹介します。
今ではすっかり日本の食卓にも定着してきた「キムチ」。
唐辛子をふんだんに使った朝鮮半島発祥の漬物で、スパイシーな味付けが病みつきになりますね。
本場・韓国では欠かすことのできない国民食の筆頭でもあり、それぞれの家庭では自家製のキムチを作る習慣が続いているそうです。
現地の外食店でもサービスの一環として無料提供されることが多く、韓国を訪れたら食する機会が多いグルメでもあります。
キムチのルーツは2,000年以上昔に遡るといわれるほど古く、朝鮮半島の厳寒期に備えた保存食から発展したと考えられています。
元々は「野菜の塩漬け」のようなスタイルだったそうですが、16世紀に唐辛子が伝来・普及することによって現在の形に定着しました。
唐辛子の強い刺激・辛みと、野菜の甘味、乳酸発酵による酸味や塩辛さが複雑に混じった風味が特徴です。
日本では戦前から知られていましたが、本格的に普及し始めたのは昭和末期から平成初期にかけての頃。
今ではスーパーやコンビニでも普通に販売されているほど身近な食品となっています。
日本国内で流通しているキムチは定番の白菜が圧倒的で、ほかに胡瓜(オイキムチ)や大根(カクテキ)を見かける程度ですね。
しかし、韓国で作られているキムチの具材は驚くほど豊富で、ざっと200種類以上あるとも言われているんです。
サツマイモや芥子菜、朝鮮人参などの珍しいを使ったものや、唐辛子を使っていない「水キムチ(ムルキムチ)」など現地でしか食べられない種類もあるので、気になったらぜひ試してみてください。
一般的に韓国産のキムチは日本産と異なり、魚介などの乳酸発酵の製造過程を伴うため、濃厚な旨味がある反面、強烈な刺激臭と臭気があることも特徴です。
日本でも大人気の「焼肉」。
韓国を訪れたら、ぜひ本場の味に舌鼓を打ちたいと思われる方も多いと思います。
ただ、韓国で「焼肉」を味わう場合、日本で見られるような牛肉や豚肉、鶏肉などの様々なお肉を一度に提供しているお店はほとんどありません。
牛カルビやダッカルビ(鶏肉)、サムギョプサル(豚肉)など肉の種類や部位、調理法によって専門店が存在し、通常はこうした専門店で個別に味わうスタイルが中心です。
ところで、韓国語で焼肉(焼いた肉)を表す言葉は「プルコギ」。
そのため日本では、韓国風の焼肉のことを「プルコギ」と呼ぶこともあり、最近ではこの名称も定着しつつありますが、現地のプルコギと日本の焼肉は全く異なる料理なんです。
韓国でプルコギといえば、薄くスライスした牛肉と玉ねぎやニンジンなどの野菜を具材とし、醤油ベースで味付けして焼いた肉料理のこと。
牛肉の代わりに豚肉や鶏肉を使う場合もあり、野菜のほかに春雨やキノコなどを加える場合もあります。
ジンギスカン鍋に似たプルコギ鍋で調理するのが通常で、「焼肉」よりもむしろ「すき焼き」や牛鍋、ジンギスカン料理に近い料理です。
醤油にリンゴや水飴、蜂蜜などを加えた、甘い味付けのタレが特徴であり、日本人の味覚にもよく合います。
専用鍋で調理するスタイルのほかにも、プルコギにはさまざまな調理法があります。
肉を網焼きにしたり、小鍋で煮込んだり、ハンバーグにように平たく焼いて食べる方法もあるそうです。
牛肉のロースやヒレなどを具材にすることが多いのですが、豚肉を使った「デジプルコギ」や鶏肉の「ダップルコギ」も人気があります。
他にもハンバーガーやキンパ、ピザなどの具材としても馴染みの存在となっています。
これまであまり知られていなかった料理ですが、最近の韓流ブームで一躍に知名度がアップした「サムギョプサル」。
日本人には発音しづらい名前の由来は、韓国語で「サム」は数字の「3」、「ギョプ」は層、「サル」は肉を表しています。
つまり「三枚肉(バラ肉)」のことで、厚切りにした豚のバラ肉を焼き、タレにつけたり、野菜でくるんだりして食べる「焼肉料理」のことです。
高価な牛肉に比べて豚肉は手頃な価格で提供されているため、骨付きバラ肉の「デジカルビ」とともに韓国で最も人気の高い料理のひとつになっています。
韓国では1990年代にブームとなり、韓国ドラマが流行り出した2003年頃から日本国内でも提供するお店が増加しました。
本格的なサムギョプサルは、ジンギスカン鍋のように中央が盛り上がり、所々にスリットが入った専用の鉄板を使用して焼きます。
このような鉄板を使用する理由として、脂肪分の多いバラ肉の余分な脂を落とすためだと言われています。
厚切りにしたバラ肉をそのまま鉄板にのせ、こんがりと全体に火が通るまで焼き上げます。
焼き上がったら、調理用バサミで一口サイズに切り分ければ食べる準備が完了です。
焼き加減が難しそうですが、ほとんどのお店ではスタッフの人に調理してもらえるので安心ですよ。
焼き上がったサムギョプサルは、岩塩や味噌ダレ、ゴマ油やコチュジャンなどの調味料で味付けします。
そのまま食べても美味しいですが、サンチュやサニーレタス、エゴマなどで包んで食べるのが一般的で、美味しさも倍増すること間違いありません。
好みによってアレンジが自由なことも魅力で、サムギョプサルを注文すれば、皿いっぱいの調味料や葉野菜が一緒に提供されることが多く、自分に一番合った味付けで楽しむことができますよ。
そんなサムギョプサルのアレンジも最近はますます多様化し、肉をワインや緑茶などで漬け込んだり、トッポギやチーズなどと合わせたりして提供するユニークなお店も増えてきました。
若い世代を中心に、今最も人気がある韓国料理といったら「ダッカルビ」かもしれません。
鶏のもも肉とキャベツやたまねぎ、人参などの野菜をコチュジャンで炒めた肉料理のことで、コチュジャンの甘辛い味付けがやみつきになる逸品です。
元々は韓国北部にある春川市の郷土料理だったのですが、同市を舞台としたドラマ『冬のソナタ』の大ヒットにより一躍注目を浴びることになりました。
このダッカルビにチーズをトッピングした「チーズダッカルビ」が、韓流の街・新大久保を中心に大ブームを巻き起こしたことでも知られています。
ダッカルビ(タッカルビ)という料理名が「鶏のあばら骨」を表している通り、元々は鶏のバラ肉を使用していたのですが、今では食べやすいモモ肉を使うことが主流となっています。
大きな鉄板を使い、鶏肉と各種野菜をコチュジャンベースのタレで炒めて作ります。
好みによっては餅や春雨、チーズなどを追加トッピングして、自分に合った味付けで楽しむことも可能です。
そのまま食べたり、サンチュなどの野菜に包んで食べるのが基本型ですが、うどんやラーメン、ご飯などを加えて食べるのも美味しいですよ。
今ではソウルなど国内全域で食べられる人気料理となりましたが、発祥地の地・春川で味わうダッカルビの味は格別です。
春川市の繁華街の一角・明洞には、30軒以上の専門店が集結する「春川明洞タッカルビ通り」があり、各店自慢のタッカルビの食べ歩きを楽しむことができます。
せっかくなら、絶品のタッカルビのほかに、もうひとつの春川名物料理・マッククスも味わってみましょう。
蕎麦粉を使ったピリ辛風味のまぜそばで、芳ばしい蕎麦の風味とのど越しの良さがたまらない逸品です。
ダッカルビの進化形として大人気の「チーズダッカルビ」!
東京・新大久保が発祥ともいわれ、平成29年(2017年)には「JC・JK流行語大賞」のモノ部門で第1位を獲得したことでも知られています。
チーズフォンデュにして食べることによってマイルドな味付けとなり、辛い料理が苦手な人でも食べられることも人気の秘訣です。
韓国でもチーズダッカルビを味わえるお店が増えてきているので、こちらの味もぜひ楽しんでみましょう。
数ある韓国の鶏肉料理のなかでも、抜群の知名度を誇る逸品が「サムゲタン(参鶏湯)」。
若鶏を一羽まるごと使用し、腹のなかに朝鮮人参やニンニク、ナツメ、栗などを詰めて長時間煮込んで作る薬膳料理です。
漢方薬にもなる栄養価の高い具材をふんだんに使っていることから、強力な滋養食として、特に真夏期におけるスタミナ源として重宝されています。
また、鶏肉のコラーゲンもたっぷり吸収できて美肌効果も抜群。
美味しくて健康にも美容にも効能がある優れた料理なんです。
長時間煮込んだ鶏肉は箸でつかめないほどの柔らかさで、鶏のエキスがたっぷり含まれた熱々スープは、濃厚な旨味を楽しめます。
朝鮮人参は心肺機能を強化し、ニンニクは強力な強壮作用抜群、栗やナツメは胃腸の働きを改善し、食欲を増進させます。
通常は一人前用の土鍋で提供されるため、一人でお店に入っても楽しむことができる料理でもあります。
夏に需要が高い料理ですが、元々が熱いスープ料理なので冬場でも美味しく食べられますよ。
韓国にあるサムゲタン専門店では、ユニークなサムゲタン料理を提供しているところもあります。
値段は高くなりますが、烏骨鶏を使用した真っ黒な「オゴルゲタン」や、具材にスッポンやアワビなど高級食材を使った「ヨンボンタン」なども気になるところです。
丸鶏一羽のボリュームでは食べきれないという人向けに、ハーフサイズの「パンゲタン(半鶏湯)」を提供しているお店もありますよ。
焼き肉店の定番サイドメニューとしてもお馴染みの「ビビンバ」。
お店に行ったら必ず注文するという人も多いかもしれませんね。
ビビンバとは韓国語で「混ぜご飯」という意味で、ご飯にナムルや野菜、肉や生玉子などを合わせ、ごま油やコチュジャンでかき混ぜながら食べる丼飯です。
通常は金属や陶器などの専用容器で提供されますが、熱々の石鍋で提供される「石焼ビビンバ」も高い人気を誇ります。
韓国で最も親しまれている料理のひとつで、各地域によってバラエティ豊かな「ご当地ビビンバ」も存在します。
ビビンバのルーツについては諸説ありますが、かつての朝鮮半島には、大晦日に残った食べ物を新年まで持ち越さない風習があり、残ってしまった食べ物をご飯と一緒に食べたことが始まりとも言われています。
伝統的なビビンバにおいては定番の生玉子は加えず、ご飯の上にのせる具材はナムルやユッケなど5種類に決まっていたそうです。
今ではスタンダードな「ポトン(普通)ビビンバ」のほかに、ケジャン(ワタリガニ)を使った「ケアルビビンバ」やピリ辛に炒めたタコを使った「ナクチビビンバ」など、様々なスタイルのビビンバが提供されています。
また、具材に野菜しか使っていない「サンチェビビンバ」もあり、ヘルシー志向の人におすすめです。
各地域で独自に発達した「ご当地ビビンバ」も魅力的です。
全州名物の「全州ビビンバ」は具材が多いことで知られ、数多くのナムルやユッケなど20種類以上にも及ぶ味覚が楽しめる豪華版となっています。
また、新鮮な牛ユッケをふんだんに使った普州名物の「普州ビビンバ」や、山海の珍味がたっぷりの海州名物・「海州ビビンバ」も絶品で、全州ビビンバと併せて「韓国3大ビビンバ」と称されています。
他にも各地に名物ビビンバが存在するので、旅行する際にはぜひ味わってみてください。
ひんやり冷たくて、のど越しのよい麺は、熱い焼肉の箸休めにぴったり!
ということで、「冷麺」もまた焼き肉店の定番サイドメニューとしてお馴染みですね。
甘酸っぱいスープと独特のコシの強さが魅力の冷麺は、数ある韓国の麺料理のなかでも高い知名度と人気を誇ります。
そんな冷麺のルーツですが、意外にもあの北朝鮮にあったんです。
冷麺はもともと朝鮮半島北部、現在の北朝鮮の首都となっている平壌周辺の郷土料理でした。
李王朝時代には存在していたとのことですが、南部地域(今の韓国)ではあまり知られていない料理だったそうです。
そんな冷麺が南部地域にまでに普及したのは、朝鮮戦争が勃発した1950年頃のこと。
南部の韓国領に逃れた北側出身者によって広められたとされています。
暑い夏の時期に食べるイメージがありますが、本来は厳寒期に暖かい暖房部屋(オンドル)で食べる料理だったそうです。
オーソドックスな冷麺は、「平壌冷麺」と「咸興(北朝鮮北東部)冷麺」の2系統が存在します。
「平壌冷麺」は「水冷麺」ともいわれ、そば粉で作った黒い麺と酸味のある牛骨スープが特徴となっています。
具材には肉類やゆで卵、キムチなどを使用しており、一般的に知られる冷麺のイメージとほぼ同じです。
一方「咸興冷麺」は、ジャガイモやトウモロコシなどのでんぷん質を主原料とした白っぽい麺で、ヤンニョムベースの辛いスープが特徴です。
別名「ビビン麺」とも呼ばれているので、焼肉屋などのメニューでご存知の方も多いと思います。
韓国では現在、上記2系統の冷麺のほか、晋州や釜山などで派生した「ご当地冷麺」など、製麺方法や具材、味付けが異なる様々な冷麺を提供するお店が増えてきました。
ソウルを含め、北朝鮮に行かなくても、本格的な冷麺を楽しめるお店もたくさんあります。
王道の平壌冷麺はもちろんのこと、色々なご当地冷麺の味を食べ比べてみたいものですね。
「クッパ」といえば、こちらも焼き肉店の定番メニューとしてお馴染みですね。
ご飯とスープが一緒になった雑炊のような料理で、その名前も韓国語のクッ(スープ)とパプ(ご飯)が合わさったものです。
韓国で最もポピュラーな料理のひとつでもあり、使用するスープは醤油ベースのほか、カルビスープやユッケジャンスープ、コムタンスープなど様々なバリエーションが存在しています。
地域によっても特色がありますが、特に開城(北朝鮮)の湯飯(クッパ)は、全州のビビンバ、平壌の冷麺とともに「朝鮮王朝三大料理」に数えられるほどの絶品だそうです。
クッパのルーツについては諸説ありますが、おおむね次のような説が有力とされています。
湿気が少なく、空気も乾燥している朝鮮半島では、喉を潤すためのスープは欠かせない存在でした。
そのため、熱いご飯を先に食べて喉がつかえることを防ぐために、クッパのような粥料理が誕生したと伝わっています。
他にも中世の食糧難の折り、量を増やして多くの人が食べられるように、スープにご飯を入れて煮込んだことがはじまりという説も存在します。
いずれにしても朝鮮半島の風土や歴史に深い関わりがある料理であることは確かですね。
そんなクッパの中でもひときわ高い人気を誇るのが、釜山周辺に普及している「デジクッパ」です。
ご飯に豚肉をのせ、濃厚に煮込んだ豚骨スープに浸した絶品料理で、素朴な味わいがやみつきになります。
朝鮮戦争で北から逃れた避難民が広めたとか、博多ラーメンとの融合からはじまったとかルーツは諸説ありますが、現在では韓国南東部・慶尚道の郷土料理として定着しています。
釜山には有名店が集結している「西面テジクッパ通り」があり、比較的リーズナブルな価格で本格的デジクッパを楽しめますよ。
日本国内においても、人気鍋料理のレパートリーとして定着した感のある「チゲ」。
一般的には「チゲ鍋」と称されることもありますが、正式にはこの呼び方は正しくありません。
「チゲ」自体が「鍋料理」という意味を持つため、「チゲ鍋」だと「鍋鍋」と重複した表現になってしまうんです。
通常はキムチや唐辛子、コチュジャンなどで味付けした辛い鍋料理を指すことが多いのですが、実際には多種多様なチゲが存在します。
激辛イメージとは相反する、まったく辛くないチゲもあるんです。
特に寒い冬の時期に恋しくなるチゲは、韓国の一般家庭や大衆食堂でも定番料理のひとつです。
通常は大鍋での取分けではなく、個別に一人前の小鍋で提供されます。
キムチを具材とした、お馴染みの「キムチチゲ」のほか、タラやアサリなどの海産物がたっぷりの「海鮮チゲ」、味噌をベースにした辛くない「テンジャンチゲ」などが有名です。
中でも人気の高いチゲが「スンドゥブチゲ」で、最近では日本でも広く知られるようになりました。
「スンドゥブ」とは、朝鮮半島由来の伝統豆腐のことで、日本でいえば柔らかい「おぼろ豆腐」に近いもの。
そのスンドゥブを、アサリなどの貝類や肉、野菜などの具材と一緒に煮込み、コチュジャンや唐辛子、ごま油などで味付けした鍋が「スンドゥブチゲ」です。
具材からの濃厚な旨味と、辛口のスープがたまらない逸品で、韓国内では比較的リーズナブルな価格で楽しむことができます。
特に東北部にある江陵市は、スンドゥブの特産地として有名で、この地にある「草堂スンドゥブ村」では絶品のスンドゥブチゲを満喫できますよ。
韓国の街中を歩いていると、多くの屋台や露店が軒を連ねている光景を目にします。
イベント行事やお祭りなどでの出店が中心の日本に比べ、韓国では日常的に屋台が出店しており、地元の生活に深く浸透しています。
軽食やスイーツが中心の韓国の屋台グルメですが、今では日本国内でも広く知られるようになりました。
トッポギやホットクなどの代表メニュ―は、日本の若者にとって人気トレンドのひとつでもあります。
韓国を訪れたら屋台にも足を運び、本場の屋台グルメの食べ歩きに挑戦してみてください。
韓国風のお好み焼きとして、日本の屋台などでもお馴染みの存在になった「チヂミ」。
韓国ではチヂミという表現はメジャーではなく、一般的には「プチムゲ」あるいは「ジョン(煎)」と呼ぶことが多いようです。
プチムゲとは油で焼いた食べ物全般、ジョンとは小麦粉をまぶして焼いた食べ物のことを指ししています。
チヂミという呼び方はもともと韓国東部にある慶尚道の方言ということで、韓国全土ではあまり普及した呼び方ではありません。
ソウルではジョンと呼ぶのが一般的と言われているので、現地でチヂミを注文する際には「ジョン」を使った方が通用するかもしれませんね。
基本的な作り方も姿も日本のお好み焼きとそっくりですが、いくつかの違いがあります。
厚めに焼き上げることが多いお好み焼きに対して、チヂミは全体的に薄めに仕上げます。
また、味付けがソース主体のお好み焼きに対して、チヂミはコチュジャンやごま油、醤油などをベースとした専用タレで食べるのが通常です。
種類も非常に多く、キムチベースのものや、アサリやイカなどの海鮮ベースもの、緑豆をベースにしたもの(ピンデトッ)などバラエティ豊富にあります。
ねぎを使用したチヂミは「パジョン」と呼ばれており、釜山周辺で食べられる「東萊パジョン」は、かつて朝鮮王朝に献上されたこともある高級絶品料理となっています。
チヂミは、マッコリとの相性も抜群と言われています。
特に雨の日にマッコリと一緒に食べるチヂミの味は最高と言われ、かつては雨天時に食べる俗習があったそうです。
理由は諸説ありますが、出不精になりがちな雨の日に、家にある簡単な食材で作れる料理として重宝されたことが有力なんだとか。
今でも屋台でマッコリを飲みながらの味は格別です。
韓国屋台を代表する人気グルメ「トッポギ」。
最近では日本でも広く知られるようになりましたね。
トッポギとは、マカロニ型の細長い餅(トッ)をコチュジャンなどで甘辛く炒めた料理のことです。
世代を問わず愛されているグルメであり、定番のコチュジャン風味のほか多くのバリエーションが存在しています。
今では屋台に欠かせないグルメとして、おやつ感覚で親しまれているトッポギですが、朝鮮(李)王朝時代には宮廷料理のひとつに数えられ、庶民の間では馴染みが薄い食べ物でした。
そんなトッポギが庶民の味覚として定着したのは、朝鮮戦争直後の1953年のこと。
ソウル在住のマ・ボンリムさんという人が、偶然にもジャージャー麺の食べ残しの皿に餅(トッ)を落としてしまったことから誕生したそうです。
その餅を試しに食べてみたところ意外にも美味しかったことから、ジャージャー麺のソースにコチュジャンを混ぜたスープで餅を炒めた、現在のトッポギのスタイルが完成しました。
発祥の地であるソウルの新堂洞には、トッポギ料理店が密集する「新堂洞トッポッキタウン」があり、創業店「マ・ボンリム ハルモニチッ(お婆さん)」は老舗人気店として君臨しています。
トッポギに使われる餅は、もち米で作られる日本の餅とは異なり、うるち米(日本ではご飯として食べられるもの)が原料となっています。
加熱してものびることはない、うるち米が原料の餅は、サックリと噛みきれるような歯ごたえが特徴です。
屋台では、3〜4cmほどに切った餅を用い、コチュジャンやオデン(後述)を使ったタレで炒めたものが中心となっています。
最近はインスタントラーメンとチーズを使った「チーズラポッギ」やカルボナーラ風に仕上げた「カルボナーラトッポギ」などの変わり種も人気です。
屋台によって味付けが異なるので、色々と食べ比べてみるのも楽しいですよ。
「ホットク」とは、平べったい生地の中に、甘い餡が入ったホットケーキのような食べ物のこと。
初めて名前を聞く人も多いかもしれませんが、若者を中心に韓国の屋台で大人気のグルメなんです。
現地で人気のある屋台では、長い行列ができることもあるほど親しまれている存在となっています。
日本国内では新大久保などで販売され、こちらも人気グルメとなっていますが、全国的にはまだ馴染みが少ないかもしれませんね。
ホットクは小麦粉やもち米粉で作った生地に、黒砂糖やシナモンなどの甘い餡を包み、鉄板の上で平たく焼き上げて作ります。
モチモチした生地と、餡の甘い味わいがたまらない逸品です。
お店によってバリエーションも豊富で、餡にゴマやナッツ、緑茶などを使ったものや、生地にトウモロコシやパン粉を使ったものなどもあります。
屋台で注文した場合、通常は厚紙や紙コップなどに入れて提供されるので、食べ歩きするのにも最適ですよ。
ホットクは漢字で表記すると「胡餅」。
韓国グルメのホットクですが、ルーツはお隣りの中国にたどり着くといわれています。
19世紀末に中国から朝鮮半島に移民してきた商人が生み出したものと考えられ、「胡」は中国(主に満洲)という意味があるそうです。
今ではすっかり韓国屋台の定番となったホットクは、リーズナブルな価格で楽しめる庶民的なお菓子。
熱々の状態で提供されるので、食べる際にはくれぐれも火傷に気を付けてくださいね。
具材とご飯を海苔で巻いて作る、韓国の人気グルメ「キンパ」。
見た目は日本でお馴染みの「海苔巻き」そっくりです。
そのルーツについては韓国起源説と日本起源説がありますが、植民地時代に日本から伝わった説が有力視されています。
戦前まではそのまま「ノリマキ」と呼んでいたそうですが、戦後になって「キンパ」という呼称が定着しました。
キンパとは、「キム=海苔」、「パ=ご飯」が合わさった言葉であり、ずばり「海苔巻きご飯」のことを指しています。
そんなキンパですが、全く日本の海苔巻きと同じものではありません。
日本では酢飯を使うのに対して、キンパはごま油と塩を混ぜたご飯を使用します。
具材も日本のものは刺身などの生ものが中心なのに対して、キンパは生ものは使用せず、野菜や沢庵、キムチ、ハムなどを使います。
また、海苔も日本のように通常の海苔を使わず、ごま油などで味付けした「韓国海苔」を使っている点も重要な要素となっています。
見かけはそっくりでも、味付けや食感にかなりの違いがあるんです。
今や屋台の定番グルメのひとつになっているキンパは、お店や地域によって様々なバリエーションが存在します。
沢庵や玉子焼き、胡瓜や焼き肉などを使うことが多いのですが、チーズやカニカマ、鱈など変わった具材が使われることもあります。
共通していることは、日本のように1種類の具材のみということはなく、複数の具材をボリューミーに使用していること。
見かけも華やかになり、食欲がそそられますね。
そんなキンパはそのまま食べても美味しいですが、韓国風ピリ辛風味のタレをつけて食べればより美味しくなりますよ。
「韓国風フライドチキン」として、日本でもブームになった記憶が新しい「ヤンニョムチキン」。
その名前が示す通り「ヤンニョム」で味付けされた、甘辛い味付けがやみつきになる鶏肉料理です。
韓国の伝統的な調味料を使ったソウルフードとして、屋台はもちろん、専門に扱う外食チェーンが全国展開しているほど、彼の国で親しまれているグルメでもあります。
ヤンニョム(薬念)とは、コチュジャンやテンジャン(韓国味噌)、ニンニクなどを材料として作られる調味料のこと。
甘辛く、スパイシーな味わいが魅力的なだけでなく、「薬念=医食同源」の意味があるように、とっても栄養素が高くて健康的な食材でもあります。
ヤンニョムチキンは、油で香ばしく揚げた鶏モモ肉に、このヤンニョムのタレを絡めて作ります。
とろみがある濃厚なヤンニョムのタレは、クセになる甘辛い味付けが特徴で、サクサクした唐揚げとの相性は抜群!
食べ始めたら止まらない絶品グルメです。
ところで、このヤンニョムチキンと似た鶏肉料理に「タッカンジョン」というものがあります。
どちらもヤンニョムで味付けした鶏唐揚げであることなど見かけがそっくりなので、その違いはいまひとつ分かりにくいですね。
ヤンニョムチキンが骨付きで提供されるのに対して、タッカンジョンは骨なしで提供されること。
また、ヤンニョムチキンの衣がしっとりした食感なのに対して、タッカンジョンはサクサクしているとかの違いがあるそうです。
韓国の人でもよく分からない両者の違い、ぜひ本場の屋台で食べ比べてみてください。
寒い冬の時期に恋しくなる「おでん」、実はお隣の韓国でも大人気なんです。
その名前もずばり「オデン(오뎅)」と呼ばれていますが、語源はもともと日本語の「おでん」。
植民地時代に日本から伝わったものが定着したものだそうです。
今では屋台グルメの定番として、数多くの韓国ドラマに登場するほど、圧倒的な存在感を誇ります。
そんなオデンですが、日本のものとは少しイメージが異なる食べ物なんです。
まず見かけが違っています。
具材には長い竹串が刺してあることが特徴で、そのまま口にすることができるので、食べ歩きにも便利なスタイルとなっています。
「静岡おでん」などの例外はありますが、器に盛り替えるスタイルがほとんどの日本のおでんとは異なりますね。
また、韓国オデンの薬味やスープは、どちらかといえば辛口の味が好まれる傾向があります。
そして、一番の違いは「具材」にあります。
メインの具材となるのは「オムク」と呼ばれる魚介類の練り物で、スケトウダラや鯛のすり身を薄く伸ばして作ります。
日本ではあまり知られていない食材ですが、もっちりとした食感があり、さつま揚げや竹輪などとは違った味覚を楽しめます。
他にトッポギも具材として人気があるので、オムクと一緒にこちらもぜひ体験してみましょう。
違った具材ばかりというわけではなく、コンニャクや大根など、日本でも馴染みが深い具材を提供するお店も多いようです。
今や韓国全土で味わえるオデンですが、発祥の地は南部の釜山だと言われています。
港町のためオムクの原料となる魚介類が豊富に獲れることや、植民地時代に日本人が多く住んでいたことが理由として挙げられ、今でも釜山の名物料理となっているそうです。
日本ではまだ食べられるお店が少ない韓国オデン、韓国の屋台でぜひ味わっておきたいものですね。
日本円に換算して、1本100円程度で販売されています。
昨今の韓流ブームおよび日韓両国の文化交流緊密化により、日本で知られる韓国グルメの数も大幅に増加しました。
韓国国内や屋台で大人気となっているグルメの情報も迅速化し、最新トレンドもすばやく入手できるようになっています。
海外の中でも日本から気軽にアクセスすることができる国なので、気になるグルメがあったら、ぜひ現地に足を運んで本場の味を堪能してみてください。
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最終更新日 : 2023/12/19
公開日 : 2023/06/27