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フィリピン料理は、はっきりとした味付けと、大皿に豪快に盛り付けるのが特徴です。
味付けのレパートリーは、甘い・しょっぱい・酸っぱい・辛いの4種類がメイン。
日本と同じくお米が主食の国なので、お米と一緒に食べたくなるような濃い味付けの料理が多く、必然的にカロリーも高くなります。
フィリピンは1年中暑い常夏の国で生活するだけで多くのカロリーを消費しやすいため、味付けを濃くしているのです。
また、高い気温の中でも料理を長期保存できるようにという理由もあります。
フィリピンの食文化には、スペイン、中国、アメリカなどさまざまな食文化が影響しています。
基本の調味料は日本と同じで、特に「砂糖+醤油」や「唐辛子+酢」が好まれる組み合わせ。
例えば、同じケチャップでもフィリピンは甘めのバナナケチャップだったり、醤油は大豆醤油ではなく魚醤だったり、酸味のある果実「タマリンド(tamarind)」をよく使ったりと、日本との違いもあります。
フィリピン独自の調味料にはカタクチイワシの魚醤「パティス」や、酢・醤油をベースに柑橘類や香辛料を入れた「サウサワン(sawsawan)」などがあり、揚げ物や焼き物といった料理を自分好みの味に調節するうえで欠かせません。
タイやマレーシアといった近隣の東南アジアでは、香辛料やハーブをたっぷり使いエスニックな風味を出しますよね。
一方フィリピンでは、香辛料の細やかな風味は出さず、とにかく味も盛り付けも豪快です。
だからこそパクチーなどのエスニックな風味が苦手な日本人でも、フィリピン料理は食べやすいのです。
フィリピンの一般家庭の食卓は、とにかく茶色い料理ばかり並ぶことがほとんど。
大家族で暮らしている家庭が多く、日本のように1つ1つ人数分の器に食事を取り分けることはしません。
テーブルの中央に大皿を置いて、各自で好きなように食べるスタイルです。
また、日本のように全員が席についてから一緒に「いただきます」をすることはなく、クリスマスなどの行事があればお祈りをする程度。
普段は各々自分のタイミングでご飯を食べに来ます。
この食事風景の緩さ・自由さもフィリピンならではだと言えるでしょう。
街の中やショッピングモールの中には、たくさんの屋台があります。
小腹が空いたらカフェやレストランに入るよりも、屋台で軽食や果物を買って食べ歩く人が多いのも特徴です。
そのため、1日の食事回数が4〜5回になることもしばしば。
加えてカロリーも高いため、日本に比べてふくよかな人が多いんですよ。
結婚式などの大きなお祝い事では、食事はビュッフェ形式で振る舞われ、残った食事は各自が持ってきた保存容器に入れて持ち帰るのもよく見る風景です。
食べることが好きで、食べ物を無駄にしません。
そんなサステナブルなところもフィリピンの魅力の1つです。
あまり野菜を好んで食べないフィリピンですが、スープにはたっぷりの野菜を使います。
野菜と一緒に豚肉や鶏肉も煮込むので、ボリュームも栄養も満点。
フィリピンのスープはもはやサイドメニューではなく、メインメニューと考えても良いでしょう。
フィリピンの家庭的なスープといえば「シニガン」。
見た目はゴロゴロ野菜たっぷりのスープですが、酸っぱい果実の「タマリンド」を使用しており、酸味が効いているのが特徴です。
あまり野菜を使わないフィリピン料理の中で、ダントツで野菜の使用量が多い料理と言えるでしょう。
入れる具材は家庭によって異なり、タンパク質には豚肉や魚介類、野菜にはオクラやナス、芋を使ったりと、特に決まりはありません。
暑くても食べられる酸っぱい「シニガン」は、とにかく食卓によく出てきます。
お皿に盛った白いご飯にスープをかけながら食べるのがフィリピン流。
ご飯にかけることで酸味が和らぎ、食べやすくなりますよ。
もちろん、スープをそのまま飲むのもおすすめ。
濃い味付けの料理と一緒にいただくと、その酸味がクセになるのです。
また、妊娠による悪阻などで他のものが食べられなくても、「シニガン」なら食べられるという妊婦さんも。
栄養を取りたいとき、夏バテ気味なときにぜひ食べてみてくださいね。
「シニガン」とよく似ていますが、酸っぱくないスープが「ニラガ」です。
「ニラガ」もキャベツや玉ねぎなどたっぷりの野菜と豚肉を一緒に煮込み、醤油や魚醤で味付けをします。
生姜やニンニクも使用しているため、ホッとする風味が口の中に広がりますよ。
お好みで酸味のあるタリマンドパウダーを入れる家庭もあります。
どちらかといえば、「ニラガ」の方が味わいがポトフに近く苦手な方が少ない料理。
酸味のあるスープが苦手な人には「ニラガ」をおすすめします。
「アプリターダ」はシチューのようなフィリピンの家庭料理です。
にんじんやじゃがいもなどの野菜に豚や牛などのお肉、トマトペーストに砂糖とケチャップを入れて、お肉がホロホロになるまで煮込みます。
そのまま食べられますが、こちらも具材やスープを白ご飯にかけながら食べるのがおすすめ。
カレーやシチューのように、次の日の方が味が染み込んで美味しいですよ。
材料はどれもスーパーで手に入るものばかりなので、日本でも作りやすいです。
よりフィリピンらしさを出すなら、バナナケチャップを使ってみてくださいね。
フィリピンでは日本のようにサラダや和え物的な軽い前菜ではなく、わりとしっかり食事感のある前菜が提供されます。
かといってメイン料理の邪魔をせず、重い肉料理の箸休め的な存在です。
ここで紹介する前菜は、軽食として屋台で売られていることもありますよ。
「ルンピア」はいわば春巻きのことで、大きく分けると3種類あります。
日本にも春巻きはありますが、フィリピンの春巻きは屋台でも気軽に食べられるように小ぶりなサイズ。
食事の前菜としてはもちろん、おやつの時間につまむこともあります。
中身には鶏や豚などの挽肉、エビ、みじん切りにした野菜の他、ココナッツの実などを入れると風味づけに。
米粉の皮で包んで揚げ、チリソースや酢などにつけていただきます。
「トルタン・タロン」はナスのオムレツのこと。
ナスを切らずに丸ごと茹でる、あるいはグリルでしっかり焼いて、柔らかくなったところをフォークの背を使って平らに潰します。
溶き卵の中にくぐらせ卵黄を絡ませたら、フライパンで揚げ焼きをして完成です。
バナナケチャップなど好きな調味料をかけていただきます。
「トルタン・タロン」は大人も子供も好きなメニュー。
ナスをシンプルに焼くことで風味が増し、ここに玉ねぎのみじん切りやひき肉を入れるレシピもあります。
少ない材料ですぐにできて、安上がりなのも人気の理由の1つです。
「バロット」は孵化直前のアヒルの卵をボイルした、いわゆる「ゆで卵」です。
孵化直前ですから、卵を割るとヒナの姿形が見えて少しグロテスク。
初めて食べるときには心の準備が必要です。
食べ方は、まずは殻に穴を開け、お好みでお酢や塩を入れて中に溜まったスープを飲みます。
その後、殻を剥いて中身を食べます。
日本人が見慣れているゆで卵とはまったく違う中身に、最初は驚くかもしれません。
しかし、味はチキンスープや親子丼のようで美味しいですよ。
殻を剥いていくと、ヒナの体の一部が見えてきました。
個体によっては、すでにクチバシや羽が完成しているものも…
見た目がグロテスクなので、日本人はもちろん、フィリピン人でも苦手としている人はいます。
そうとはいえ、フィリピンでは精がつく食べ物として大人気で、屋台でよく売られています。
「バロット」を2〜3個食べると、精力剤のように元気が湧いてくるという噂も。
勇気のある人はぜひ挑戦してみてくださいね。
フィリピンでは豚、鶏、牛、ヤギの肉がよく食べられてます。
特に人気なのが鶏肉と豚肉で、フィリピンには大家族が多いため一家数キロ単位で購入します。
また海に囲まれているため、海鮮類も豊富。
シンプルに焼き魚や揚げ物にして食べられることが多いですよ。
肉も魚もスーパーで購入できますが、あちこちにあるマーケット(露店市場)でも購入可能です。
フィリピンの代表的な家庭料理が「アドボ」です。
鶏肉や豚肉をビネガー(お酢)と醤油、ニンニク、胡椒などの調味料で柔らかくなるまで煮込みます。
酸味が効いており、煮汁が具材によく絡み、こちらもフィリピンらしい濃い味です。
日本の肉じゃが的な存在で、それぞれの家庭ごとに「おふくろの味」がありますよ。
「アドボ」の煮汁を白ご飯にかけるのが通な食べ方。
フィリピンのお米はパサパサですが、この方法なら食べやすくなるのでおすすめです。
フィリピンのお祭りや行事などの席に欠かせない料理が「レチョン」、つまり豚の丸焼きです。
豚の内臓を抜き、そこへハーブ類やニンニク、玉ねぎなどを詰めます。
あとは炭火を使ってじっくりと焼きあげるだけ。
じっくり時間をかけて焼くことで、皮は香ばしくパリパリ食感、中身はジューシーに仕上がります。
見た目にインパクトがあり、イベントを盛り上げてくれる「レチョン」。
食べるときは小さく切り分けてもらえますよ。
甘いソースやチリソースなど、お好みのソースと一緒にいただきましょう。
フィリピンでは魚が豊富に取れるため、魚も身近な食材です。
調理方法は焼く・揚げる・蒸すとシンプル。
しかも表面が焦げるくらいカリカリになるまで焼く・揚げるのがフィリピン流です。
その魚料理の代表格とも言えるのが、「ティラピア」という鯛の仲間の魚を丸ごと1匹焼いたもの。
白身魚なので淡白で味にクセがなく、魚醤や酢醤油などに付けて食べます。
実は「ティラピア」は、日本語では「イズミダイ」と呼ばれており、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
他にもフィリピンを代表する高級魚「ラプラプ(Lapu lapu)」や、フィリピンの国魚と呼ばれている「バンガス(Bangus)」などもあり、いずれも淡白な味です。
フィリピンでは肉もそうですが、ほとんど味付けはせずそのまま焼いたり揚げたりして、ソースで味変をすることが多いです。
「ボピス」は、豚の心臓、肺、脾臓といった内臓を細かく刻み、ピリッと辛い唐辛子、トマト、玉ねぎと一緒にソテーしたフィリピン料理です。
似た料理には、豚のほほ肉を刻んでソテーした「シシグ(Sisig)」があり、作り方もほぼ同じ。
どちらもスパイシーな味付けで、タパスのようにお酒のおつまみとして出されています。
そのままでは味が濃いため、白ご飯にのせて食べましょう。
こってりした旨味とピリ辛の刺激がクセになり、ニンニクでスタミナもつきます。
フィリピン産のビール「サンミゲルビール」のお供にするのもおすすめですよ。
フィリピン人は麺も大好きで、麺料理は総称して「パンシット(Pancit)」と呼びます。
以下で紹介する麺料理のほか、ラーメンやスパゲティもよく食べられているんですよ。
また、フィリピンではパラパラとした粘り気のないインディカ米が主食。
もち米を使った料理やおやつも多く、フィリピン人にとってお米は欠かせない存在です。
「パンシット・ビホン」はいわば焼きビーフンのこと。
単に「ビホン」や「ビーホン」とも呼ばれています。
エビ、豚肉、にんじん、パプリカ、セロリなどの野菜と一緒にビーフンを炒め、醤油やナンプラーで味付け。
お好みで柑橘系の果実「カラマンシー(Calamansi)」を絞って食べます。
野菜、タンパク質、糖質を同時に取れるうえに、大量に作って保存しやすいので、作り置きをしておけば忙しい日にはパパッと食べられますよ。
日本人ウケの良いフィリピン料理の1つです。
「パンシット・カントン」はフィリピン風焼きそばです。
フィリピンのローカルフードとして、家庭でもレストランや屋台などでもよく出てくる料理。
炒めて味付けした麺に、柑橘系の果実「カラマンシー」を絞って食べます。
「パンシット・カントン」のインスタント麺もあり、日本でも購入可能です。
モンデ・ニッシン社の「ラッキーミー(Lucky me)」は、フィリピンの食材を扱うお店によく置いてあるので、チェックしてみてください。
しかし、フィリピン人が一番好きな麺は実は日清のカップヌードルなんです。
フィリピンに行く際にはお土産に持っていくと喜ばれますよ。
「ビコ」はもち米を使ったフィリピン料理です。
元々はフィリピンの冠婚葬祭などで提供されることが多かったデザートですが、現在はもっとカジュアルに誕生日パーティやちょっとした集まりなどでも見かけます。
もち米をココナッツミルクと黒糖で炊き上げ、そぼろ状の「ラティク」をトッピング。
トッピングの「ラティク」がポイントで、甘い「ビコ」にコクと味の変化を与えてくれます。
日本でいえば、おはぎに近い料理なので食べやすいですよ。
フィリピンには「甘さ控えめ」の概念が無いに等しく、スイーツはとにかく甘いのが特徴です。
砂糖はもちろん、コンデンスミルクやココナッツミルクも使われています。
フィリピン旅行で暑さに疲れた体には、ぜひスイーツで糖分を補給してみてくださいね。
フィリピン風かき氷である「ハロハロ」は、ぜひ1度は食べてみてほしいデザート。
「ハロハロ」は「ごちゃ混ぜ」という意味で、かき氷の上にアイスクリームやゼリー、タピオカ、フルーツ、ナタデココなどをトッピングします。
たっぷりの具材をかき混ぜながら食べましょう。
口の中でいろいろな味や食感が「ごちゃ混ぜ」になって楽しいですよ。
「ハロハロ」のトッピングは自由に選べるお店が多いですが、「ウベ(Ube)」という紫山芋のアイスクリームを乗せるのがおすすめです。
粘り気のある「ウベ」で作ったアイスクリームには、ねっとりとした食感と深いコクがあります。
「ハロハロ」以外にも、パンやケーキ、焼き菓子などにも「ウベ味」があるほど人気です。
「レチェ・フラン」は日本で言えばカスタードプリンのデザート。
家庭料理として、特に子供がいる家庭ではよく作られています。
「レチェ・フラン」には牛乳の代わりにコンデンスミルクやエバミルクが使われるため、かなり甘くて濃厚な味。
また食感も日本のプリンよりも固めです。
甘苦いカラメルソースもケチらずたっぷり使います。
そのまま食べるのはもちろん、「ハロハロ」のトッピングに乗っていることもありますよ。
日常的にも作られていますが、特にクリスマスやフィエスタ(お祭り)には欠かせないお祝いのデザートの1つです。
「フルーツサラダ」は様々なフルーツ、ゼリーなどをコンデンスミルクで和えたフィリピン料理。
「サラダ」という名前がついていますが甘いデザートです。
果物のほか、寒天やゼリー、レーズン、クリームチーズなど、さまざまな具材を入れるのがポイント。
子供たちに人気なので、家族や近所の集まりがある日には高い確率で登場します。
たくさんの具材の味の変化を楽しみながら食べてみてください。
フィリピン料理はとにかく味も見た目も豪快!
自分で好みのソースを使って味変しながら食べる料理が多く、自由気ままな国民性が料理にも表れていますね。
暑さを吹き飛ばしてくれる酸っぱさや、エネルギーチャージにぴったりの甘味が魅力的なフィリピン料理。
日本人も食べやすい料理が多いので、ぜひ挑戦してみてください。