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3. ボケロネス・エン・ビナグレ(Boquerones en vinagre)
4. ピミエントス・デ・パドロン(Pimientos de padron)
5. チャンピニョーネス・ア・ラ・プランチャ(Champiñones a la plancha)
7. ガンバス・アル・アヒージョ(Gambas al ajillo)
9. クロケータス・デ・ハモン(Croquetas de jamón)
<スペイン北西部(ガリシア州、アストゥリアス州、カンタブリア州)のおすすめ料理>
1. プルポ・ア・ラ・ガジェガ(pulpo a la gallega)
2. ナバハス・ア・ラ・プランチャ(Navajas a la Plancha)
3. タルタ・デ・サンチャゴ(Tarta de Santiago)
<スペイン北東部(バスク州、ナバラ州、アラゴン州)のおすすめ料理>
2. バカラオ・アル・ピルピル(Bacalao al pil pil)
<スペイン中央部(カスティーリャ州、マドリード州)のおすすめ料理>
2. カジョス・マドリレーニョ(Callos Madrienos)
3. コシード・マドリレーニョ(Cocido Madorileño)
4. チュレータ・デ・コルデロ・アサード(Chuleta de cordero asado)
<スペイン地中海沿岸(ムルシア州、バレンシア州、カタルーニャ州、バレアス諸島)のおすすめ料理>
<スペイン南部(エストゥレマドゥーラ州、アンダルシア州)のおすすめ料理>
4. ペスカドス・フリトス(Pescados Fritos)
スペイン人の生活の中で、なくてはならないのがバル(BAR)です。
朝のコーヒー、昼食までの軽食、1日のメインとなる昼食、夕食までのおやつ、夕食前の一杯、夕食、夕食後のコーヒー、待ち合わせ。
家の近所に、職場の近くに、行きつけのBARがあり、1日に何度も利用するという人も少なくありません。
そんなバルでは、タパスと呼ばれる小皿の料理を楽しむことが出来ます。
タパスとは、蓋をするという意味がありますが、小皿料理の総称になっています。
ビールやワインを頼むと突き出しとして、オリーブの実やポテトチップスが置かれることが多いですが、バルによってはタパスが1品出てくることも珍しくありません。
特にアンダルシア地方のグラナダは、突き出しが豪華なことでも知られています。
それでは、タパスにはどんなメニューがあるのか、定番を中心にご紹介します。
いわゆるスペイン風オムレツは家庭の味であり、バルでもおつまみとして、お通しとして出されることが多い一品です。
オムレツの中にじゃがいもが入っているので、ずっしりと重量感があり、少しつまむと空腹が満たされるため、お腹が空いている時に最適です。
お店によってはハムが入っているバージョンもあります。
「スペインで生ハムを食べたい!」と思っている方も多いはず。
イタリアのプロシュート・ディ・パルマと中国の金華ハムと並んで、世界三大生ハムに選ばれているのがハモンセラーノです。
ハモンセラーノは、山のハムという名の通りアンダルシアやカスティーリャ地方の山岳地帯で作られていました。
現在はスペイン全土で数千にも及ぶメーカーが、生産効率の良い白豚の後ろ脚を使って作っています。
生ハムはどこのバルでもレストランでも必ずあるメニューですが、保存状態やカットの方法でちょっと味が違って感じるかもしれません。
ハモンセラーノの4~5倍ほど価格が高いのが、イベリア半島在来種の黒豚で作ったハモン・イベリコです。
スペインで作られる生ハム全体の1割程度と希少価値が高く、その中でも、どんぐりを食べさせ放牧して育てたイベリコ豚で作ったハモン・イベリコ・デ・ベジョータは最高級品と言われています。
生ハム全体から言うとわずか2%で価格も高いですが、スペインならではの味なので、生ハム好きなら試してみる価値大です。
スペインに行くと、食材店やスーパーなどで、ずらーっと生ハムがぶら下がっている光景に何度か出会うはず。
少しからでも購入できるので、色々食べ比べて見るのもいいですね。
その場でパンに挟めばボカティージョ(スペインのサンドイッチ)の出来上がりです。
ご覧の通りイワシのマリネ。
これが意外と馬鹿にできないのは、美味しい店は美味しいけれど、「何故?」と思うくらい美味しくない店もあること。
酢の分量やニンニクの量、浸かり具合などもお店によってマチマチなので、ぜひ食べ比べてみてください。
どこのバルにも置いている定番品です。
スペイン版ししとうは、日本のししとうと比べると、ちょっと小ぶりで味が濃い感じ。
このししとうをたっぷりのオリーブオイルで煮るように揚げたもの。
素揚げと思われていますが、揚げるのではなく、オリーブオイルで煮るのが美味しさの秘訣です。
岩塩ががつんと効いているのも特徴。
基本的には辛くないのですが、たまに辛いのが混じっているので驚かないように。
肉厚のマッシュルームのカサの部分に、チョリソー、ニンニク、パセリを詰めて鉄板で焼いた一品です。
「マッシュルームを鉄板で焼くとこんなに美味しいの?」と自宅で真似したくなること間違いなし。
マドリードのマヨール広場そばには、ガイドブックに必ず出ている「Mesón del Champiñon」という専門店があり大人気です。
ただのジャガイモのフライではありません。
外はカリッと、中はホクホクの一口大のポテトフライに、ピリ辛なブラバソースがかかっていて止まらない美味しさ。
ブラバソースは、トマトケチャップ、マヨネーズ、カイエンヌペッパーなどで作ったピリ辛ソースで、ちょっとジャンクな味です。
お店によってはこれにアリオリ(ニンニクマヨネーズ)がかかっている場合もあり、よりジャンク感が増します。
日本でも人気のアヒージョですが、スペインのバルでは定番的な存在。
耐熱性のお皿の中でグツグツと煮えたぎった状態で運ばれてくると、ニンニクの香りがぷ~んと漂います。
たっぷりのオリーブオイルと火を通しすぎないプリプリの海老をパンにつけるとエンドレス。
具材への火の入れ方と、オリーブオリルのクオリティ、ニンニクの分量、塩加減など全てが上手く合えば、最高のアヒージョに出会えます。
イカリングも美味しいのですが、筆者のおすすめは小イカのフライです。
カラリと揚げることでより一層旨味が凝縮して、ジューシーさが閉じ込められます。
フライなのにパクパクいけちゃうのがちょっと危険な一品。
レモンを絞ってさっぱりといただきましょう。
一口サイズのコロッケの中身は、じゃがいもではなくてベシャメルソースです。
具材はこちらの生ハムや、鶏肉が一般的ですが、場所によってはタラやタコなどが入っていることもあります。
クリーミーで口あたりが良く、塩味の効いた生ハムがアクセントになっています。
出来れば作り置きではなく、出来立てのアツアツを頂きたいですね。
バルメニューのラストを飾るのは、筆者のとっておきの一品モハマです。
モハマとはマグロの燻製で、薄くスライスした上にオリーブオイルがかけられて出てきます。
からすみのマグロ版といった味ですが、からすみほど塩辛くはなく、噛めばマグロの味が口の中にぱあ~っと広がります。
食料品店やスーパーで真空パックになった物が売っているので、気に入った方はお土産にもおすすめです。
そのままご飯に乗せても良いですし、スパゲッティとの相性も抜群です。
ここからは、スペインの地方別に郷土料理をご紹介します。
郷土料理と言っても、今はマドリードをはじめとする大都市では、各地の郷土料理を出すお店も多くなりました。
例えるならば、東京で沖縄料理が食べられるのと同じですが、それが沖縄出身の方が作るのか否か、食材は沖縄直送なのか否かといった違いがありますよね。
スペインでも然り、「現地で食べるのと違う!」と思う時もあれば、「ああこれは現地と同じ」と思う場合もあります。
聞いたことがあるスペイン料理も、どこの地方の郷土料理かを知っていれば旅行時に役立つことでしょう。
スペインには50の県があり、その県が17の自治州にまとめられています。
今回はその17の自治州をざっくりと、スペイン北西部、北東部、中央部、南部、地中海沿岸部の5地域に分け、各地の郷土料理をご紹介していきます。
スペインの北西部は緑豊かな自然と海がもたらす食材の宝庫。
特にカンタブリア海と大西洋に面したガリシア州は魚介類が豊富で、新鮮な魚介類を使った料理が人気です。
世界にはタコを忌み嫌う国もありますが、ヨーロッパの中でも、スペイン、ポルトガル、ギリシャなどでは日常的にタコを食べます。
ガリシア地方の名物と言えば、こちら。
とにかくタコが柔らかくてフワフワの食感なので、フォークで切る事が出来るほどです。
茹でタコに岩塩、オリーブオイル、パプリカパウダーをかけただけのシンプルさが美味しすぎる一品です。
日本人向けの味でもあるので、未体験の方は試してみてください。
その形状から剃刀という意味のナバハスは、日本でいうマテ貝。
新鮮なナバハスにニンニクを少し、オリーブオイルをかけて鉄板で焼いただけというシンプルな一品です。
お好みでレモンを絞ると爽やかな味に。
歯ごたえがあって、口の中で磯の香りがぶわっと広がります。
シーフード料理店や海辺のバルなどで見つけたらぜひお試しを。
食材を並べているようなレストランで見ると、貝からはみ出してびろーんとした様子がちょっとグロテスクですが、味は抜群です。
そんなに安い物ではないですが、貝類が好きならハマる味です。
ガリシア地方の伝統的なお菓子「タルタ・デ・サンチャゴ」は、サンチャゴ巡礼の最終目的地であるサンチャゴ・デ・コンポステーラの修道院で作られたのが発祥だと言われています。
材料はとてもシンプルで、アーモンドプードルに、卵、砂糖、香りづけのレモンとシナモンだけ。
焼きあがったケーキの上に、聖ヤコブの象徴である十字架が粉砂糖で象られています。
小麦粉を使わずに、アーモンドプードルのみなので、軽くて香りが豊かです。
大西洋と地中海の食材を活かした料理に定評のあるバスク地方は、昔から独自の食文化を遂げてきました。
サン・セバスチャンは、人口1人当たりのミシュラン星付きレストランの数が世界一多く、美食の街として知られています。
日本でもすっかり知名度のあがったピンチョスという言葉。
スペイン語の爪楊枝や刺すという意味があり、小皿料理であるタパスの中でも、小さくカットしたパンの上に具材が乗っていたり、爪楊枝で刺してあったりするフィンガーフード全般をピンチョスと呼んでいます。
もともとはスペイン北部でよく見る形態でしたが、現在ではバルセロナなどの都会で、ピンチョスを売りにしているお店が増えています。
バスク州の美食の街・サンセバスチャンの旧市街には、バルがなんと100軒近くもあり、バル巡りをするのが地元の人にとっても、観光客にとってもお楽しみになっています。
1軒でじっくり飲むのではなく、飲み物を1杯頼んでピンチョスを1つ、2つ頼んだら次のバルへ。
いちじくとクリームチーズに生ハム、茄子とオイルサーディン、豚肉のグリルと野菜、各バルは趣向を凝らした小さなおつまみをずらりとカウンターに並べて、味はもちろんですが、目でも楽しませてくれます。
バスク地方に出かける予定がない方も、バルセロナにはバスクスタイルのピンチョスを出すお店が多いので、ぜひ試してみてくださいね。
バカラオとは干し塩ダラのこと。
お隣のポルトガルほどではないですが、スペインでもタラは人気の食材の一つです。
タラのピルピルは、タラをオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子で煮込んだ料理で、弱火のまま鍋をゆすり続けてオリーブオイルを乳化させます。
料理名のピルピルとは、ソースが沸騰し始める時の音から付けられました。
塩漬けのタラを戻したものを、ちょうど良い塩加減まで戻した物を使うので、新たに色々な味付けは無し。
乳化してとろ~りとなったソースが絶妙で、さすが美食のバスクの料理だと納得する一品です。
バスク州、カンタブリア州の北部海沿いに伝わる郷土料理で、バスク語でマルミータと呼ばれる蓋のついた両手鍋を使って作ることから、マルミタコと名付けられています。
元々は漁師の賄いで、船の上で獲れたてのカツオを捌き、ブツ切りをジャガイモなどの野菜と一緒にトマトソースで煮込みます。
カツオに火が入り過ぎるとパサパサになってしまうので、仕上げにさっとカツオに火を通すようにするのがポイント。
一般的にはカツオですが、マグロを使うこともあり、じゃがいもと魚という組み合わせがとっても相性が良いことに驚かされる一品です。
大陸性気候で雨が少なく、乾いた赤い土が広がるスペイン中央部。
内陸部なので、肉の煮込みや炭火焼き料理が多いのが特徴です。
名前のインパクトが強すぎますが、アホとはスペイン語でニンニクのことです。
内陸部で冬の寒さが厳しいカスティーリャ地方ならではのスープで、別名カスティーリャのスープ(sopa castellana)とも呼ばれています。
貧しい羊飼いたちが、固くなってしまったパンとニンニク、卵を入れて作ったのが始まり。
スペインでは、「風邪をひいたかな」と思ったら、ニンニクパワーたっぷりのソパ・デ・アホを作って飲む人が多いと言います。
現代のレシピは、ハモンセラーノやチョリソが入ったやや豪華版。
卵が入っているため、優しい仕上がりでとっても飲みやすいスープです。
マドリードの伝統料理で、牛の胃袋をメインに腸などの臓物をトマトソースで煮込んだ一品です。
いわゆるもつ煮込みなので、ちょっと癖はありますが、きちんと下処理されているので臭みは感じません。
ニンニクの効いたトマトソースは、一緒に入れるチョリソや生ハムからの出汁もしっかり出ていて、コクのある味わい。
寒い冬にはアツアツのカジョスを食べると、臓物パワーなのか身体が温まってきます。
臓物系はちょっと、という方もぜひ一度チャレンジしてみてください。
独特の食感にハマるかもしれませんよ。
主にスペイン内陸部で食べられているコシード。
具材に決まりはありませんが、一般的には肉類、チョリソやモルシージャといったソーセージ類、ひよこ豆、ニンジン、玉ねぎ、じゃがいもなどの野菜をコトコトと煮込んだ料理です。
フランスでいうとポトフ、日本でいうとおでんといったところでしょうか。
マドリード風というのはその食べ方で、まずはショートパスタを入れたスープを飲み、次に野菜と豆類を食べ、最後に肉類を食べます。
寒い冬に身体を温める典型的な家庭料理です。
チュレータ・デ・コルデロとは羊のあばら肉のこと。
新鮮な仔羊の肉を炭火で焼いたものをお楽しみください。
ニュージーランドやアラブ諸国で仔羊の肉を食べたことがある筆者ですが、ダントツで1位なのはスペインの仔羊肉です。
羊が違うのか、炭火が違うのか、料理法なのか分かりませんが、とにかく不動の1位です。
さらに上級編なのが、コルデロ・レチャルという生後2か月以内で、まだ草を食べていないお乳のみを飲んでいる赤ちゃん羊。
柔らかくて臭みはゼロ、メニューにレチャルの文字を見つけたら迷わずオーダーしてみてください。
温暖な地中海性気候の地。
豊富な野菜や果物、地中海の魚介類に米料理などが有名です。
また、イタリアやフランスが近いことから、伝統的なスペイン料理とはちょっと違った洗練された料理が楽しめます。
日本での知名度ナンバーワンのスペイン料理と言えばパエリアですよね。
パエジャラという取っ手がついた平たい鍋で作るパエリアは、スペインの米どころで知られるバレンシア地方の郷土料理です。
9世紀にスペインに稲作をもたらしたアラブ人たちが作っていた料理が起源。
たっぷりの具材を炒めて米と水、風味と色付けにサフランを加えて炊き上げます。
ちなみに、スペイン人は日常的にパエリアを食べるわけではありません。
親戚が集まった時に屋外で作るとか、お祭りの時に振舞われるとか、そういうレベルです。
家庭では40~50cmもあるパエジャラを載せられるガス台もないので、そうそう作れる料理でもありません。
バレンシアのパエリアは、主に鶏肉やウサギ肉、パプリカやインゲンを使っています。
米に芯が残り過ぎてもダメ、べちゃべちゃでもダメ、ちょうど良い具合に炊き上げるのはテクニックが必要です。
バレンシアから南へ約60kmのガンディアの郷土料理で、フィデオスという細いショートパスタを米の代わりに使ったパエリアです。
魚介類の出汁をたっぷり吸いこんだパスタは米よりも食べやすいので、気が付けばたくさん食べているかもしれません。
後から結構お腹が苦しくなるメニューです。
味が濃いめなので、レモンをたっぷり絞って食べるのがおすすめです。
そのまま訳すと黒い米。
イカ墨を使ったパエリアと言われますが、伝統的にパエリアとは呼ばれず、アロスネグロという別名が付けられています。
イカ墨はただ色が黒いだけではなく、コクがあって美味。
具材にはイカやエビが良く使われます。
ニンニクたっぷりのアリオリソースが添えられていますが、いきなりたくさんつけるとヘビーなので、少しずつつけて味わってください。
カタルーニャ地方の冬の風物詩カルソッツとは、その見た目から長ネギと思われがちですが、実際は玉ねぎの一種。
網に乗せて真っ黒焦げになるまで直火で焼きあげます。
アツアツの間に、根元の方からずるっと外側の皮を剥がす引っ張ると、中からジューシーで甘味のある真っ白なネギが出てきます。
これをロメスコソースにつけて、高く持ち上げて口を上に向けて食べるのが本式です。
味の決め手は、焼いたトマト、ニンニク、ドライ赤ピーマン、オリーブオイル、パンなどに炒ったナッツを加えてすりつぶし、ビネガーと塩コショウで味を整えた「ロメスコソース」。
あくまでもカルソッツは前菜で、カタルーニャ地方では、家族や友人が集まり、まずカルソッツを食べてから同じ網でバーベキューを楽しんだりします。
シーフード好きなら外せなのがサルスエラ。
スペインの民衆オペラ、サルスエラのように登場人物が多い=魚介類が多いという意味で料理名がサルスエラと名付けられました。
新鮮な魚介類をトマトベースのスープで煮込んだもので、スペイン版ブイヤベースといった感じです。
カタルーニャ料理には欠かせないロメスコソースが入ることもあり、味わい深い一品。
多くの魚介類を使うことから、2人前からしかオーダーできないレストランも多いため要確認です。
カタルーニャ地方の伝統的なお菓子で、3月19日のサンジョセップの日に食べる習慣があることから、別名クレマ・デ・サンジュセップとも呼ばれています。
フランスのクリームブリュレに良く似ていますが、クリームは少な目か未使用、卵黄とミルク、小麦粉から作られています。
食べる直前に冷やしたカスタードの上に砂糖をまぶしてバーナーで炙ることで、パリパリとしたカラメルの層ができ、パリっ、ふわっといった食感が楽しめます。
オレンジピールやシナモンでほのかな味付けがされていて上品な味わい。
現在はスペイン全土で人気のデザートなので、ぜひオーダーしてみてくださいね。
エストゥレマドゥーラ州はポルトガルに隣接する山岳地帯で牧畜が盛んな地域です。
アンダルシア州はイベリア半島の中でも最もイスラム時代が長かった場所なので、アラブ風な料理も多くあります。
暑くて乾燥している地域なので、冷製料理や夏バテ防止に効くような料理が多いのも特徴です。
日本での知名度も高いガスパチョは暑いアンダルシア地方が発祥の冷製スープです。
熟したトマト、きゅうり、ニンニク、玉ねぎ、ピーマン、硬くなったパンを少量の水と一緒にミキサーにかけて、オリーブオイルとレモンや適量のワインビネガーなどで仕上げます。
真夏には連日40度を超す酷暑のアンダルシア地方。
何も食べたくない、という時にもガスパチョを飲めばちょっと酸っぱいのもあって食欲増進、栄養もたっぷりです。
家庭によって野菜の分量は色々ですが、ポイントは完熟トマトを使うこと。
自宅での再現性が高い一品ですね。
コルドバの名物料理、サルモレホ。
ガスパチョに似ていますが、野菜はトマトのみで、水分量は少な目、パン多め。
ガスパチョよりもどろりとした食感で、仕上げに刻んだゆで卵や生ハムをトッピングします。
家庭によって酢を入れたり入れなかったりと若干の違いあり。
多めのパンとトッピングがあるので、食欲が無くてもサルモレホだけで軽食代わりになるという優れものです。
コルドバの郷土料理として知られるのが、こちらの牛テールの煮込みです。
ワインやドライフルーツなどと一緒に長時間コトコトと煮込んであるので、驚くほど柔らかく口に入れるとほろほろっと溶けるよう。
ゼラチン質の部分のプルっとした食感がたまりません。
必ずと言っていいほどフライドポテトが上に乗っているので、かなりのボリュームです。
コクのあるソースはパンでぬぐいながら食べるのがスペイン流です。
アンダルシア地方では本当に良く揚げ物を食べます。
良質なオリーブオイルと、新鮮な魚介類の組み合わせは最高。
天ぷらでも、フライでもなく、小麦粉を薄く薄くまぶしてさっと揚げるだけなのに抜群の美味しさ。
本当にさっと火を入れる程度なので、素材の味が良くわかり、小海老もイカもイワシもプリプリっとしています。
揚げたてに岩塩をパラパラっと振って頂きましょう。
スペイン料理はものすごく手間がかかっていたり、ソースやスパイスを多用しているような料理は少なく、素材の味を活かすのがポイント。
気候や歴史的背景などが関わった郷土料理は、土地の特産品と新鮮な食材を使ってシンプルに仕上げられています。
今回は定番的な人気のスペイン料理を中心にご紹介しましたが、別の機会に珍しい料理も追記していければと思います。