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「腸活」とは、腸に良い習慣を取り入れて、腸を元気にすることで、健康と美容を目指す健康法のことを意味します。
特に腸活でポイントとなるのが「腸内細菌」です。
腸の善玉菌を増やしたり、悪玉菌を減らす効果のある発酵食品を取り入れたり、食物繊維を取り入れることも腸活になります。
腸は便秘やガスなどの不快症状だけではなく、美肌や全身の健康にもつながる大事な臓器です。
その腸を元気にすれば、あなたの気になっている不調も改善されるかもしれません。
腸は便秘、ガスなどの分かりやすい自覚症状としてサインを出すこともあれば、わからないうちに腸内環境が乱れていることもあります。
次のような症状やお悩みがある人は、腸が弱ったり、腸内環境が悪化している可能性が高いです。
当てはまる項目が多いほど、腸が乱れている可能性が高いと言えます。
今すぐ腸活を始めて、腸の元気を取り戻しましょう。
腸には次のような大きく分けて3つの機能があります。
どの機能も腸にとって大事な働きです。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
言わずと知れた機能ですが、腸は食事からの栄養吸収を行なっています。
栄養の吸収に関わっているのが小腸です。
食べたものは胃で小さく分解されたのちに、小腸にて様々な消化酵素と混ざってさらに小さく分解されます。
小腸は全長6〜7mもあり、その間を移動していく過程で栄養素が吸収されていきます。
小腸で栄養が吸収されたあとの食べ物の残りカス、腸管細胞の死骸、腸内細菌の死骸などがまとまったものが便です。
最初はドロドロの液体状だったものが、大腸の腸壁より水分が吸収されていき便として形成されています。
また、排便では体に不要な老廃物や毒素も排泄されます。
このため便秘になると老廃物や毒素が体内に溜まっていき、肌あれや疲労感などの原因になってしまうのです。
あまり知られていないのが、免疫に関する機能です。
免疫とは外部から入ってくる異物のウイルス、細菌、アレルゲンなどから体を守るための防御反応のこと。
免疫に関わる細胞のことを免疫細胞といい、身体中の免疫細胞の約7割が腸管内に集まっているんです。
腸に入ってきた食べ物に異物が含まれていた場合には、腸の免疫細胞が反応して異物をすばやく排除してくれますよ。
一方で、腸が弱ると腸管免疫の機能も低下して、外敵に対するバリア機能が低下し病気になったり、アレルギーを起こしやすくなってしまいます。
また、腸は「第二の脳」とも呼ばれていて、脳の指令を通さずに腸が自分で判断して動くのも特徴の一つです。
幸せホルモンと言われる「セロトニン」の90%を腸管内で作っており、ストレスや心の状態にも深く関係していることが分かっています。
巷で話題となっている「腸活」は、良さそうではあるけれども、実際にどんなメリットがあるのかいまいち分からない…という方に向けて、「腸活」のメリットについてご紹介します。
腸活を行うことでまず感じられる変化としては、お通じが良くなったり、ガスが減るなどの変化です。
腸内細菌のバランスが整い、腸の動きが良くなることで、便秘だった人は正常なお通じに近付くようになります。
また、悪玉菌が発生する有毒なガスも抑えられて、オナラや口臭といった臭いに関する悩みも改善されますよ。
便秘薬が手放せないという人は、お薬だけに頼るのではなく、合わせて「腸活」を行うことをおすすめします。
肌の色がくすんでいる、ニキビや吹き出物ができやすい、乾燥肌など、肌に関するトラブルは女性の大きな悩みの一つですよね。
腸は肌トラブルにも深い関係があり、腸がきれいになれば肌もきれいになることが多いんです。
腸の中はいわば「ちくわ」の内側の部分と同じような構造であり、外部の皮膚と繋がっていることになります。
そのため、腸の状態に目を向けてあげることで、肌荒れを内側から改善できるのです。
イライラして頭痛がしたり、便秘がちになったり、逆に下痢を繰り返したり…
ストレスが溜まると体に様々な不調となって現れることがあります。
実はこのような身体的な変化には「自律神経」が関係していて、この自律神経が腸の働きにも密接に関わっているんです。
自律神経が乱れれば腸の状態も乱れ、逆に腸を整えれば自律神経も安定してストレスによる症状も落ち着きます。
また、便が出ないとイライラしたりスッキリしないものですが、排便が整うようになると気分的にも安定しすくなりますよ。
腸と冷え性にも深い関係があります。
腸には多くの血管が走っているので、腸の動きが悪くなると全身の血行も悪くなり冷え性を招きやすくなるのです。
逆に腸内環境が良くなると、腸の動きも良くなるので血行が促されて冷え性も改善されます。
冷え性に悩んでいる方は体を温めることだけではなく、腸の状態にも注目してみてください。
腸が元気になるとダイエット効果を得られることもあります。
溜まっていた便が出てぽっこりお腹が解消されるというだけでなく、代謝がアップすることで痩せやすくなるのです。
また、腸内細菌には「痩せ菌」という菌がいて、痩せ菌が多い方が痩せやすい体質になれることが分かっています。
腸内環境を整えて痩せ菌を増やすこともダイエットを成功しやすくするポイントです。
どうやって「腸活」を行なっていけば良いのか、具体的なやり方について紹介していきます。
どれか一つでも効果が出る人もいますが、組み合わせた方が効果的です。
ただし、ストレスや無理があると逆効果となるため、自分が快適に感じられる範囲で取り入れてみてください。
何から始めるべきか悩んでいる場合は食生活の見直しから始めてみるのが手軽でしょう。
最近では腸活に役立つ情報をまとめた本が出版されていたり食事や便通の記録ができるアプリなどもリリースされているので、これらを活用するのもおすすめです。
はじめに腸活のカギを握っているのは「腸内細菌」というお話をしましたが、腸活では腸にとって良い働きをする「有用菌」の存在が欠かせません。
細菌には人間にとって良い働きをする「有用菌」「善玉菌」と、悪さをする「悪玉菌」があります。
例えば、有用菌や善玉菌と呼ばれる代表的なものが「乳酸菌」「ビフィズス菌」「酵母菌」などです。
腸で良い働きをしてくれる細菌や酵母菌のことを「プロバイオティクス」とも呼んでいます。
この有用菌を多く含んでいる食品といえば「発酵食品」です。
ただし、外部から取り入れた有用菌は腸内には定着しにくく、すぐに外に排泄されてしまいます。
そのため、腸活にはこれらの発酵食品を毎日コツコツと取り入れていくことが大切です。
また、腸内細菌を豊かに育むために、いろいろな種類をバリエーション豊かに取り入れるようにしましょう。
腸内をきれいにするために欠かせないのが「食物繊維」です。
昔は不要な存在と思われていましたが、今では "第六の栄養素" とも呼ばれています。
腸内細菌を活発にして腸をきれいに保つために、毎日の食事で食物繊維を多く含む食品を積極的に取り入れていきたいですね。
食物繊維には2種類あり、いずれも腸にとっては重要な存在なのでバランスよく取りいれることが大切です。
しかし、日本人の最近の食生活では、水溶性食物繊維が不足しやすい傾向があります。
簡単にバランスを整えるならば、キウイやりんご、バナナなどのフルーツを毎日1個プラスしてみると良いでしょう。
ゴワゴワとした触感で水に溶けにくいのが特徴です。
水を含んで膨張し、腸管を刺激して動きを良くしてくれます。
※多く含む食品:豆類、穀類、野菜(ごぼう、ブロッコリーなど)、きのこ類、未熟な果物 など
ネバネバ、サラサラした触感で水に溶けやすいのが特徴です。
腸内の汚れを絡め取ってくれたり、ビフィスズ菌などのエサとなり腸内環境を整えてくれます。
※多く含む食品:大麦、オーツ麦、熟した果物、こんぶ、わかめ、オクラ、アボカド など
腸を動かすには食べ物や飲み物などの内側からの刺激だけではなく、マッサージや運動も効果があります。
リラックス効果、便秘の改善などのメリットもあるので、ぜひ積極的に取り入れていきましょう。
合計3分間行うようにしましょう。
1箇所あたり3〜5秒程度、息を吐きながら押すのがコツです。
ただし、マッサージは食後すぐに行うと消化の邪魔になったり、気分が悪くなることがあります。
必ず食後1時間は空けてから行いましょう。
運動としては足を使うウォーキングやジョギングは腸を刺激するのでおすすめです。
しかし、外で運動する時間がない人は、室内でもできるストレッチを取り入れてみましょう。
両側を3〜5セットずつ繰り返して行いましょう。
ストレスで動きの悪くなった腸を刺激して動きを良くする効果があります。
その他、ウエストシェイプにも効果が期待できますよ。
腸にとって悪影響を及ぼすことはなるべく控えることが大切です。
また、腸にはストレスが大敵であることも忘れてはいけません。
朝ごはんを食べたり睡眠をしっかりとるといったように、生活リズムを整えることも腸活にとって重要なポイントです。
腸にとってはストレスは大敵であり、ストレスが溜まると同時に腸の動きにも異常が起こりやすくなります。
これには自律神経が関わっていて、心の疲労やストレスだけではなく身体的なストレスも影響を及ぼすのです。
例えば、働きすぎや深夜遅くまでスマホを見るなどの行為もストレス要因になります。
ストレスは貯めずにこまめに発散することが大事です。
好きなことを積極的に取り入れたり、ゆっくりお風呂に浸かる、好きなアロマの香りでリラックスするなど試してみましょう。
また、息が詰まったときにはこまめに深呼吸するのもおすすめです。
人間にとって最大のストレスとも言われるのが睡眠不足。
寝ている間は、自律神経の中でもリラックス時に優位になる副交感神経が活発に働き、腸の動きも整いやすくなります。
一方で、交感神経が活発になると睡眠の質が低下することも分かっています。
寝る直前までイライラしていたり、スマホやテレビを見ていたりするのはNGです。
お気に入りの寝具やパジャマでリラックスした状態で寝るようにしましょう。
忙しくて腸活に十分に取り組めない…という場合には、手軽に取り入れられる商品やアイテムを使ってみるのも一つの手です。
ここからは、スーパーやコンビニ、通販などで気軽に購入できる腸活におすすめの商品をご紹介します。
ただし、これらはすぐに効果が出るものではないので、あくまでも生活習慣の改善と共に取り入れていくことが大事です。
「ヘルスエイド® ビフィーナS」は、ビフィズス菌(ロンガム種BB536)50億個を摂取できるサプリメントです。
こちらは機能性表示食品であり、腸内フローラを良好にして便通を改善する効果も報告されています。
カプセルは顆粒タイプで小さいうえ、味もさわやかなレモン風味となっているためサラッと飲みやすく、毎日続けやすい点が魅力的です。
ビフィズス菌は胃酸により死滅しやすい性質がありますが、このサプリメントは胃液中でも90%の生存率が確認されています。
公式オンラインストア やAmazonなどの通販のほか、マツモトキヨシでは店頭購入も可能です。
価格:3,856円(税込)
内容量:30日分
食品だけでは改善が難しい便秘や軟便、おなかのハリやガスの症状に悩んでいるならば整腸剤を使うのも手です。
こちらの「ヤクルトBL整腸薬」にはビフィズス菌と乳酸菌の1種であるカゼイ菌が含まれていて、生きたまま腸まで届いてくれます。
小腸と大腸の両方をケアして不快な症状の改善を促してくれますよ。
ドラッグストアなどで手軽に入手できるので、毎日の腸活にも取り入れやすいですね。
価格:2,497円(税込)
内容量:36包
腸活に興味はあるけれどまずは手軽に始められるものから取り入れたいという方には「バンホーテンの腸活ココア」がうってつけです。
こちらの商品には水溶性食物繊維のイヌリンが豊富に含まれていて、腸内フローラの改善に役立ちます。
リッチな味わいを求めるなら牛乳で、ビターなテイストがお好みならお湯でつくるのがおすすめですよ。
ちょっと変化を持たせたい時はオートミールやヨーグルトに混ぜてみても良いでしょう。
価格:650円(税込)
内容量:200g
甘酒には酒粕で作ったものと米麹で作ったものがありますが、腸活には米麹のタイプがおすすめです。
こちらの「麹だけでつくったあまさけ」は、雑味のない味わいでストレートでも十分飲みやすい商品。
砂糖は一切使われておらず、麹のでんぷんを糖化させることで上品で優しい甘さが引き出されています。
コンビニやスーパーには118gサイズが置かれていることもあり、手軽に入手しやすい点も嬉しいですね。
糖質が気になる方は、従来の商品から糖質が30%カットされた「麴だけでつくったすっきりあまさけ」を試してみてください。
価格:205円/475円/864円(各税込)
内容量:118g/410g/825g
「バーリーマックス」は、オーストラリア連邦科学産業研究機構が開発した新種の大麦です。
こちらは玄米の約7倍もの食物繊維を含み、しかも腸まで届きやすい特徴があります。
「レジスタントスターチ」、「フルクタン」、「β-グルカン」 の3種類の食物繊維がバラバラに分解されて腸の奥まで届くからです。
大腸の中で善玉菌のエサとなり腸内環境を整えてくれる効果もあるスーパーフードとしても知られています。
ほのかな甘みと噛み応えのある食感が特徴で、茹でてサラダなどにのせたり、お米と一緒に炊いても美味しく味わえますよ。
価格:1,263円(税込)
内容量:1袋 180g
不足しがちな食物繊維を簡単にプラスできる商品も販売されています。
「難消化性デキストリン」は読んで字のごとく、消化されにくい水溶性の食物繊維です。
こちらの商品にはフランス産の非遺伝子組み換えトウモロコシが使われていて、アレルゲン・GMO・添加物フリーで仕上げられています。
遺伝子組み換え作物を使用した製品もある中で、安全性に配慮された商品です。
毎日摂るのは大変な食物繊維をスプーン1杯で簡単にプラスできてしまいます。
冷たい水にも良く溶けることと無味無臭なことも特徴の一つで、スープや飲み物に混ぜたり食べ物にふりかけたりと使い勝手は抜群です。
価格:3,680円(税込)
内容量:2㎏(約200日分)
腸は私たちの消化吸収、排泄、さらには免疫にまで様々な機能を持つ大切な臓器です。
毎日の食事でついつい腸に負担をかけてしまいがちですが、これからは腸のことももう少し労ってあげたいですよね。
「腸活」はその瞬間のためだけではなく、将来の自分の体のためにも意味があります。
食生活や生活習慣なども見直して、今日から健康と美容のために「腸活」を始めてみてはいかがでしょうか。
執筆・監修:薬剤師 笹尾 真波(ささお まなみ)
大学院卒業後、某内資系製薬企業にて市販薬の企画開発・マーケティングなどに携わる。
その後、都内大型門前病院前のドラッグ併設調剤薬局にて、調剤業務および市販薬のバイヤー・在庫管理・販売にも携わる。
その他、サプリメント・ハーブやオーガニックコスメ販売にも従事する。
また、外資系製薬企業にてDI業務、学術情報部門にて糖尿病や免疫関連の学術情報の検索および情報提供にあたる。
現在は非常勤薬剤師として調剤薬局で勤務する傍ら、正しい薬の使い方や医療情報、美容関係の情報提供に務める。
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最終更新日 : 2024/10/10
公開日 : 2024/10/08